創成館vsおかやま山陽
好機を生かした創成館、継投でおかやま山陽に快勝
4番サード・杉原 健介(創成館)
大会の開幕戦は、中国大会で優勝したおかやま山陽と、九州大会で優勝した長崎県の創成館という初出場同士の対戦になった。
午前8時34分試合開始という、朝の冷え込みが残る中、創成館の先発、身長184センチの長身左腕・川原 陸が初回を三者凡退に抑える。
その裏創成館は、おかやま山陽の先発、右腕の有本 雄大が試合の流れに乗る前に一気に攻める。1番・野口 恭佑が左前安打で出塁すると、2番・藤 優璃がライトオーバーの三塁打を放ち、あっさり先制。藤も4番・杉原 健介の左犠飛で生還する。
おかやま山陽も4回表、俊足の2番・利光 康生が右前安打で出塁すると、すかさず二盗。捕手の二塁送球が暴投となる間に、利光は三塁に進み、4番・井元 将也の左前安打で生還し、1点を返す。
しかしその裏創成館は、6番・松山 隆一が逆方法に流して左中間を破る二塁打で出塁すると、7番・川原の左中間寄りの中前安打で生還し、突き放す。
創成館の各打者は簡単にアウトにならず、ファールなどで粘るため、有本も投球は4回を終えた段階で80球に達していた。それでも四球を出さない制球の良さが光る一方で、仕留めきれない決め球の甘さが課題として残る。
創成館は、チャンスはしっかり物にしていたが、唯一得点できなかったのが、5回裏だ。この回内野安打2本で一死一、二塁としたが、4番・杉原の二遊間の痛烈な打球をおかやま山陽の遊撃手・禰元 太陽が好捕するや素早く二塁に送球して、併殺で切り抜けた。
マウンドに集まるおかやま山陽ナイン
おかやま山陽は7回表、右前安打の5番・宮路 翔矢が、犠打で二塁に進んだところで、創成館は、川原に代えて、伊藤 大和が登板した。
「交代は3、4回ごろから考えていました。右打者が続きますし、度胸もいいです」と稙田龍生監督が言う伊藤は、横手投げながら、最速が140キロを超える。
「サイドから140キロを投げられると厳しいですね」とおかやま山陽の堤尚彦監督が言うように、伊藤は7回途中から登板して、四球を1個出しただけで、安打を許さず、おかやま山陽の攻撃を完全に封じた。
創成館は、8回裏にも3番・峯 圭汰、4番・杉原、7番・伊藤の安打などで2点を追加し、5対1で勝利を収めた。
創成館は稙田監督が「打線はバランスがいい」と言うように、どの打順からでも得点に絡んでおり、選手個々の質の高さをみせた。とりわけ、川原、伊藤の投手リレーは効果的であった。準々決勝は、東北大会優勝の聖光学園と対戦する。
一方、おかやま山陽の堤監督は、「普段できていることができませんでした。情けない」と、悔しさをにじませた。中国大会の決勝戦で12対11という打撃戦を繰り広げた打線もこの試合では、創成館の2人の投手に抑えられた。守備面などで力の片鱗はみせただけに、ひと冬越してのレブルアップを期待したい。
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