高知追手前vs高知商
高知追手前、最速140キロ腕攻略し、4年ぶり四国舞台へ!
帽子を飛ばして力投する高知追手前・岡林 倖生(2年)
伊野商を下した準々決勝に続き、高知との準決勝でも最後は逆転サヨナラ負けで屈したものの、最速137キロ左腕の岡林 倖生(2年・投手・左投左打・169センチ63キロ・高知市立潮江中出身)、主将・中山 歩武(2年・捕手・164センチ61キロ・右投右打・日高村佐川町学校組合立加茂中出身)バッテリーの配球が見事にはまり、9回表まで1対0と手ごたえを得た高知追手前。常廣 直樹監督が提示したデータに基づき、守備・配球のイメージをつかんで毎試合臨む彼らの「自立・自律」精神は、準決勝で明徳義塾を土俵際まで追い込んだ高知商相手の3位決定戦でも全くぶれないどころか、さらなる広がりを見せた。
特筆すべきは攻撃面である。まず二死一・三塁から高知商5番・藤高 祐一郎(2年・左翼手・右投左打・175センチ75キロ・奈良葛城ボーイズ<奈良>出身)の左前打で1点を先攻された直後の1回裏には、二死一・二塁から5番の大坪 拓未(2年・三塁手・右投右打・167センチ72キロ・高知市立大津中出身)が右前同点打。
続く2回裏には1番・永野 隼次(2年・中堅手・左投左打・166センチ53キロ・高知大学教育学部附属中出身の)好走塁などで得た二死二・三塁から2番・西原 陸歩(2年・遊撃手・右投右打・170センチ58キロ・高知市立朝倉中)が右前2点適時打。4安打全てがセンターから逆方向という徹底ぶりで、2番・高知商先発の最速140キロ右腕・北代 真二郎(2年・右投右打・180センチ83キロ・香美市立鏡野中出身)を2回3分の0、打者12人・42球でマウンドからひきづり下すことに成功した。
その後も高知追手前は4番・一塁手から2番手マウンドに上がった高知商・近澤 孝祐(2年・左投左打・177センチ75キロ・高知市立愛宕中出身)の8四死球制球難に乗じ、3回裏は暴投と大坪の適時打で2点・4回裏は大坪の右犠飛で1点。
高知商先発・北代 真二郎(2年)
そして5回裏は一死満塁から2番・西原の押し出し四球、3番・山本 琳太郎(2年・一塁手・176センチ78キロ・右投右打・高知大学教育学部附属中出身)の中前適時打、4番・阿部 絃久(2年・右翼手・左投左打・174センチ70キロ・高知市立朝倉中出身)の左犠飛で3点と、5回裏まで毎回得点での計9得点。「選手たちには『いつも通り』と言っていたが、実はこの試合ではスクイズを使わないことを決めていた」指揮官の決意を以心伝心で感じ取り、結果につなげた。
高知商も意地は見せた。2対9の7回表二死一塁からは2打点の5番・藤高に代えて上田 修身監督が送り込んだ代打・鳥山 将弘(2年・左翼手・右投右打・174センチ70キロ・大阪鶴見リトルシニア<大阪>出身)が強烈な左翼線適時二塁打を放つと、8回表にはぬかるんだグラウンド状況を使った2本のバント安打や、1番・田嶋 俊(1年・中堅手・右投左打・168センチ64キロ・高知中出身)の中前適時打、敵失を絡めで3得点をあげた。
しかし、最後は岡林が9安打・8四死球を与えながらも150球・7奪三振・自責点3の力投で踏ん張り、ホームベース上での校歌は「仰ぐは高き時計台」で始まるクリーム地に「追手前」の緑漢字が染め抜かれた20人が歌うことになった。かくして目標達成の第一通過点としていた地元開催の四国大会へ4年ぶり2度目の出場を決めた高知追手前は、これからも「自立・自律」を貫き、複数回の校歌斉唱を着々と狙う。
(レポート=寺下 友徳)
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