東海大菅生vs盛岡大附
延長11回タイブレーク大激戦は、東海大菅生に軍配!
松本・鹿倉のバッテリー(東海大菅生)
夏の甲子園ベスト4、1回戦では三本松(香川)を7回裏の集中打により9対2コールドで下した東海大菅生(東京)と、同じく夏の甲子園ベスト8・1回戦では3番・植田 拓(3年・中堅手)、4番・比嘉 賢伸(3年・遊撃手)の2者連続本塁打なでで明豊(大分)を7回コールド10対2で破った盛岡大附(岩手)が準決勝進出をかけて激突。試合は攻撃力の高い両校が初回からタイブレークまで持ち味を出し合う好勝負となった。
初回は表の東海大菅生が二盗塁を絡め3番・小玉 佳吾(3年・二塁手)と5番・佐藤 弘教(3年・左翼手)の適時打で2点を先制すると、裏の盛岡大附は3番・植田の左前適時打と無死満塁から5番・松田 夏生(3年・捕手)の中越走者一掃二塁打で一挙4点。試合をひっくり返す。
しかし、東海大菅生も徐々に反撃へと転じる。3回表には小玉、4番・片山 昻星(2年・一塁手)の連続二塁打で1点差に迫ると、7回表にはまたしても小玉、片山のコンビで5対4と逆転。2回裏から8回裏までは「別人のように素晴らしいピッチングをしてくれた」と若林 弘泰監督も称えるほど調子を取り戻し、最速140キロも出した戸田 懐生(2年)が無安打投球を展開し、勝利を目前まで引き寄せた。
ただ、高校野球はやはり最後まで分からない。盛岡大附は土壇場の9回裏、比嘉の右翼線二塁打をきっかけに二死三塁とすると、9回表に右翼手から2番手マウンドに上がっていた7番・平松 竜也(3年)が執念の遊撃内野安打。試合は5対5の同点のまま、今大会初となるタイブレーク方式(無死一・二塁から)の延長戦へと突入する。
タイブレークでも両者は激しい駆け引きと気迫が交錯させる。10回に東海大菅生が一死二・三塁からこの日5安打4打点目となる小玉の2点適時打で勝ち越すものの、盛岡大附は「タイブレークに入った時点から決めていた」(関口 清治監督)ダブルスチールで悪送球を誘い1点を返すと、1番・林 一樹(3年・左翼手)がバント安打。2番・大里 昻生(3年・三塁手)が二塁手横を抜く強烈な適時打で再び同点。植田も背走する左翼手のグラブを弾く当たりでサヨナラ勝ちと思われたが……。走者追い越しでアウト。その後も本盗失敗などが重なり、最後の1点を奪うことはできなかった。
逆に命拾いした形となった東海大菅生は、11回表に暴投、5番・佐藤の中犠飛で勝ち越すと、6番・奥村 治(3年・三塁手)の適時打や失策などで5点を奪い勝負あり。2時間55分の激闘を制した東海大菅生は、明日10月9日(月・祝)8時半プレイボールの準決勝第1試合で、広島広陵(広島)と対戦する。
(文=寺下 友徳)
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