日大三vs正則
日大三、16安打、13得点、被安打0の5回コールド発進
林 玲介(日大三)
U18日本代表の櫻井周斗、井上大成や怪力モンスターの金成麗生ら錚々たるメンバーが抜け、日大三の小倉全由監督は「こじんまりとやっていくしかないですよ」と語るが、新チーム最初の公式戦は、迫力の5回コールド発進になった。
日大三の先発は、背番号18の右腕・林玲介。力のある球を投げていたが、初の公式戦登板の緊張からか、1回表は四球2個で走者を2人出す。3回表には四球を3個出し、二死満塁のピンチを招いた。
球威が正則打線を上回っていたため、得点は許さなかったが、不安定さもあった。林は4回を投げて、無安打無失点、奪三振8という圧倒の投球ながら、四死球5で投球数も78にも達しており、課題の残る内容だった。
一方正則の先発は横手から変化球を中心に組み立てる背番号15の山﨑裕喜。「一番まとまっているのですよ」と、正則の岸本淳監督は、先発起用の理由を語る。1回裏は、日大三の攻撃を2番・木代成の三塁打と新主将になった3番の日置航の右犠飛による1点に抑えた。
2回裏には安打2本を打たれたものの二死としたが、9番で先発投手の林の中飛を、中堅手が転倒して落球し、三塁打となって2点が入る。林も1番・金子凌の中前安打で還る。
こうなると日大三打線は止まらない。3回裏には一死一塁から柳澤真平の二塁打、齋藤龍二の三塁打も含め、7者連続安打で一気に6点を追加。4回裏にも3本の二塁打などで3点を入れた。
5回表に日大三は、井上大成の弟である井上広輝が登板。9球で三者凡退に抑える危なげのない投球で締めて、13対0。5回コールドで日大三が勝利した。
敗れた正則にすれば、敗戦は仕方ないにしても、あまりに一方的な内容に、「相手より、うちの問題です。2年生が3人しかおらず、1年生の出来上がりが遅い」と岸本監督は語る。それでも、「一生懸命やる子たち。ひと冬越えて、作り上げていきたい」と今後への抱負も付け加えた。
大勝した日大三であるが、3番・日置、4番・大塚晃平から安打は出なかった。「大きいのを打つチームではない」と小倉監督。早稲田実業の清宮幸太郎が抜けたとはいえ、この代も西東京は激戦区であることに変わりはない。「この秋というより、来年までにチームを作っていきたい」と小倉監督。日大三にとって、長い戦いが始まった。
(文・写真=大島 裕史)
注目記事
・2017年秋季大会 特設ページ