ふじみ野vs川越工
乱れ飛んだ8本の長打、ふじみ野打線が川越工を圧倒
ふじみ野は10点目を大野君の本塁打で挙げた
比較的近いところで練習試合を組んだこともあるという両校。その時のスコアが23対12でふじみ野だったというが、それだけに2桁近いスコアでの点の取り合いになることが予想された。ところが、結果的には、ふじみ野のワンサイドの展開での大勝ということになってしまった。
この夏はチーム力も高く充実していた川越工だったが、ベンチ入り全員が3年生だったということもあって、新チームは1、2年生44人の誰も公式戦を経験したことがないという状態からのスタートとなった。「公式戦になると、やっぱり一番弱いところが出てしまいますね。細かいミスもありましたが、力は相手の方があるとは思っていました。結果的には、ミスというよりもガチンコの打ちあいで打ちきれないということでしたから、力不足です」と、川越工の熊澤 光監督は、この試合に関してはふじみ野に脱帽していた。
ふじみ野は初回、失策と暴投に2番松尾 透君の安打に盗塁悪送球で先制する。さらに3回にも、一死から松尾君、永井 海雄君の短長打で加点。これで勢いづいて5番粟田 遼君の右中間三塁打、福室 和希君の中前打などでさらに2点を加えてこの回3点。4回にも、一死から1番吉田 健太郎君、松尾君の連続長打や犠飛でさらに2点。5回にも川越工の2人目鈴木 廉君に対して5連打して3点を追加。そして留めは6回、大野 竜也君の左翼へのソロアーチも飛び出して10点差とした。
投手陣も、公式戦初登板という先発の吉田 啓人君と5回からリリーフした加藤 亮太君との継投で3安打完封とほぼ完璧に近い内容だった。
ふじみ野の浅野 裕太監督は、「とにかく楽しんでやろう、明るく元気で行こうということを言って送り出したのですが、その通りに元気よくやってくれました」と、選手たちの溌剌とした活躍に喜んでいた。そして、昨秋はベスト8に進出しているだけに、「先輩たちのチームに負けないようにやっていこうという意識は強いと思います」と、選手たちの向って行く気持ちが表れていたことを強調していた。
川越工の熊澤監督は、「投手をもう一度作り直していかなくてはと思っています。ただ、こういう負け方ですし、伸びしろはありますよね」と、前向きの姿勢を示していた。元々、坂戸西時代から投手づくりの手腕は高く評価されている熊澤監督である。一冬超えたところで、どこまでチーム力を上げていっているのか、早くも来春が楽しみなチームでもある。
(文=手束 仁)
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