試合レポート

前橋育英vs明徳義塾

2017.08.16

前橋育英が優勝以来の3回戦進出!期待の右腕・皆川が9回途中1失点の好投!

前橋育英vs明徳義塾 | 高校野球ドットコム

前橋育英(群馬)vs明徳義塾(高知)

 大会第8日の第2試合は、ともに夏の甲子園で優勝経験のある学校同士の対戦となった。2013年の95回大会以来4年ぶりの優勝を目指す前橋育英と、2002年の84回大会以来15年ぶりの優勝を狙う明徳義塾の一戦は、本塁打が多く出ている今大会にあって、珍しくロースコアでの試合展開となった。

 前橋育英の先発は群馬県大会で149キロを計測し、今大会中に自己最速150キロの期待がかかる右腕・皆川 喬涼(3年)。対する明徳義塾は1回戦の日大山形戦で6回から登板し、延長12回までの7回を無失点と好リリーフを見せた市川 悠太(2年)が先発。

 先攻の明徳義塾は初回、1番・菰渕 太陽(2年)が左翼への安打を放って出塁したが、皆川の前に二塁に進むことができないまま二死となり、4番・谷合 悠斗(2年)の打席で盗塁を試みるもアウト。チャンスを広げることができなかった。対する前橋育英は1回、2死球などで二死一、三塁とチャンスを作るも、5番・皆川は遊ゴロに倒れてこちらも無得点。制球が定まらず、投球が抜けることの多い市川だったが、ここは踏ん張って無失点。

 試合が動いたのは3回裏、前橋育英の攻撃だった。先頭の1番・丸山 和郁(3年)が右翼への安打で出塁すると盗塁、内野ゴロで一死三塁とし、3番・戸部 魁人(3年)の中前適時打で1点を先制。

 先制点をもらった前橋育英の皆川は2回には自己最速に並ぶ149キロを計測するなど明徳義塾打線になかなかチャンスを作らせない。2回、3回と三者凡退に抑え、迎えた4回。死球と4番・谷合の二塁打で二死二、三塁としたが、続く5番・今井 涼介(3年)を144キロの高めの直球で中飛に打ち取りピンチを乗り切る。これで勢いに乗った皆川は5回、6回、7回と続けて三者凡退に抑え、明徳義塾に付け入る隙を与えない。

 すると7回裏、前橋育英打線が皆川の好投に応える。先頭の9番・黒澤 駿太(3年)が安打で出塁すると、2番・堀口 優河(3年)、3番・戸部の連続適時打で2点を追加。終盤で前橋育英がリードを3点に広げる。

 皆川は8回も三者凡退に抑え、無失点のまま9回のマウンドに上がる。内野ゴロ2つで二死とし、あと一人で完封というところまで来るが、ここで明徳義塾が粘りを見せる。代打の佐々木 仁(3年)に三塁線を抜く二塁打を浴びると、続く3番・西浦 颯大(3年)には145キロのストレートを中前へ弾き返され、1点を失う。ここで前橋育英は皆川に代えて中堅を守っていた丸山がマウンドへ。その丸山が明徳義塾の4番・谷合をフルカウントから空振り三振に抑え、前橋育英が接戦を制した。

 明徳義塾の先発・市川は7回で9安打を浴びながらも3失点と、粘りの投球を見せたが、わずかに及ばなかった。馬淵 史郎監督にとっては甲子園通算50勝がかかった試合だったが、節目の勝利は来春以降に持ち越しとなった。

 前橋育英のエース・皆川は9回に右手の指を吊ってしまい、完封こそならなかったが、8.2回116球を投げ、許した安打はわずかに4本。1失点の好投でチームを勝利に導き、この日が53歳の誕生日だった荒井 直樹監督へ最高のプレゼントを贈ることができた。

(文=編集部)

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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