青森山田vs彦根東
大トリの青森山田、快勝を飾る
青森山田(青森)vs彦根東(滋賀)
49代表の中で最後の登場となった青森山田と開幕試合で逆転サヨナラ勝ちを収めた彦根東の試合は、互いにサイドスロー投手が先発した。
近畿大会では選抜を制した大阪桐蔭を瀬戸際まで追い詰めた彦根東、先発マウンドを任された左サイドの原功征(2年)は緩い球を有効に使ったピッチングが持ち味。初回、青森山田のキーマン、出塁させたくない1番・相坂 大真(3年)のライン際への当たりはレフト・高村 真湖人(3年)がほとんど動かず掴みとる。2番・工藤 飛馬(3年)が打席に入ると高村はサード後方へと動くなど相手打者を研究した守備陣の助けもあり、2回まで無安打に抑える。
しかし、2回り目に入った青森山田打線が徐々に捉え始める。3回一死から相坂がライト線に二塁打を放ちチャンスメイクし、3番・赤平 竜太(2年)が適時打を放ち1点を先制。緩い球に崩されずしっかり引きつけセンター前に弾き返した。
4回には安打で出塁した福原 朱理(3年)を一塁に置いて、中澤 樹希也(2年)が2点本塁打を放つ。さらに二死から四死球で走者をため工藤の適時打で加点。対策のし辛い左横手投げ投手の攻略に成功すると、代わった松井 拓真(3年)にも赤平が2打席連続となる適時打、5回にも中澤が2打席連続の本塁打を浴びせリードを広げた。
中盤に6点の援護を受けた青森山田の先発・斉藤 勇太(3年)は、三者凡退で始まった立ち上がりから好投を続けていた。右サイドから力強いストレートとキレのあるスライダーを低めに集め、前半に外野まで打球を飛ばされたのは1度だけ。
劣勢となった彦根東だが、7回に二死から吉本 孝祐(3年)がチームとして4本目の内野安打で出塁すると、條野 正宗(3年)がライト前に弾き返す。初めてのクリーンヒットが出ると6回からマウンドに上がっていた増居 翔太(2年)が四球で歩き二死満塁。代打・中井 知稀(3年)のヘッドスライディングも及ばずこの回は無得点に終わったが、8回、一死一、三塁から岩本 道徳(3年)の内野ゴロの間に1点を返す。9回の守備では高村の好返球で走者を刺し、攻撃では仲川 俊哉(3年)が一発を放つなど、赤い三塁側スタンドを沸かせた。
流れが変わってもおかしくない場面はあったが、斉藤勇はセカンド・相坂の好プレーなどもあり2失点完投。奪った27個のアウトの内17個がゴロアウトという低めを突く投球で逃げ切りに成功した。
(文=小中 翔太)
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