済美vs東筑
好投手対強力打線
済美(愛媛)vs東筑(福岡)
福岡大会7試合を1人で投げ抜いた東筑の2年生エース・石田旭昇とチーム打率4割の強力済美打線の対決。そんな構図になるかと思われたが序盤、その持ち味はどちらも影を潜めていた。
済美は3回までに2点を先制したが、安打はエースで4番でキャプテンの八塚凌二(3年)が放った1本だけ。石田は福岡大会61回を投げて与えた四死球は13個。完投能力と共に制球力も大きな武器だったはずだが、3回終了時点で早くも4四死球。先制点はワイルドピッチで献上していた。
先に打線がつながったのは東筑。2点を追う4回、一死から盛田秀(3年)がレフトスタンドへ一発を放つ。反撃の狼煙を上げると、菊池聡太(2年)が二塁打を放ち安倍滉平(3年)の適時打で生還。さらに北村謙介(2年)も右中間への適時三塁打で続く。4連打で3点を奪い逆転に成功すると5回に菊池の適時打で加点。リードを2点に広げた。
自慢の打線が鳴りを潜めていた済美だが5回、吉岡秀太朗(3年)の犠牲フライで1点を返すと二死一、三塁から橋本圭介(3年)が3点本塁打を放ち逆転に成功。さらに6回には亀岡京平(3年)にも一発が飛び出し2点を追加した。
7回からは本調子でなかった八塚に代わって左サイドながら力のある球を投げ込む影山尭紀(3年)がマウンドへ。東筑のクリーンアップを三者連続三振に仕留めると、8回の先頭打者も空振り三振。二死二塁の場面でも三振を奪いピンチを切り抜けた。
打線はその裏、八塚、吉岡の連続適時打でダメ押しとなる2点を奪う。3回まで1安打に抑えられていたが計10安打10得点。東筑のエース・石田は済美打線の勢いを止められず、最後は升田由太郎(3年)にマウンドを譲った。
雨天のため4回裏の途中に1時間15分の中断があった試合は、再開後、打線にエンジンのかかった済美に軍配が上がった。
(文=小中翔太)
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