小松vs丹原
「強打」だけじゃない、犠打・重盗・堅守。「ニュー小松」丹原に快勝!
5回まで毎回の13得点。ここまでは例年の「強打」小松である。が、内容を見ると昨年までとの違いが手に取るように判る。10安打に加え、8四死球・犠打も2。盗塁は重盗2個含む5。そして三振はわずかに「1」。無失策。さらに1回表に大会第10号先制2ランを放った「岩城島の大砲」4番・田名後 友(3年・右翼手・168センチ71キロ・右投右打・上島町立岩城中出身)。6月の練習試合で福岡大大濠<福岡>・三浦 銀二(3年)からも一発を放っている高校通算20本塁打の3番・近藤 壮一郎(3年・遊撃手・170センチ77キロ・右投左打・新居浜ボーイズ出身)が放った5回表一死一・二塁から中越2点三塁打に代表されるように、各打者のスイングも実にコンパクトだった。
そこには確かな理由がある。実は小松は今年、練習で新たな試みを行っている。フリーバッティングでは59歳・宇佐美 秀文監督いわく「僕が指導を始めてからはじめて」指一本分余らせたグリップでのスイングを指示。同時にバントゲージを設けバント練習も進めている。さらに守備や走塁でも多くの時間を割き連携をチェック。フリーバッティングでも活きた打球を処理する意識を高く持ち、研鑽を積んできた。
こういった方針の下、小松には新たなスター候補生も誕生している。2番の田中 将伍(3年・中堅手・170センチ64キロ・西条市立東予西中出身)は50メートル走6秒台前半。右打者にもかかわらず一塁駆け抜け4.0秒台の俊足を活かし、この試合でも2回表に安打後三盗を成功させ4番・田名後の浅い遊ゴロで軽々と6点目を奪取。守備でも右中間・左中間の打球を軽々とさばき、丹原を1安打に抑える原動力となった。
かくして3年前の甲子園出場時と同じく継投策はそのままに、打線に一味違った風味が備わった「ニュー小松」。
7月23日(日)10時から[stadium]西条市ひうち球場[/stadium]で大洲と戦う3回戦でも、彼らは持ち味を出し切って栄冠をつかみにいく。
(レポート=寺下 友徳)
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