試合レポート

東浦vs津島

2017.07.17

終盤に逆転~同点が相次ぎ延長10回、東浦がサヨナラ勝ち

 1点を争う展開は、8回に東浦が逆転。しかし、9回に愛知津島が追い付いて延長となり10回裏、東浦が最後の最後に自力を示してサヨナラ勝ちした。

 初回、東浦は先頭の杉本が中前打すると、盗塁とバントで一死三塁となったところで、3番棟方裕斗が左前打あっさりと先制。しかし、2回に愛知津島は死球の野田堅太かバントで進み、清水幹太が三遊間を破って一三塁とすると、スクイズで追いついた。

 見た目の選手たちの体格なども含めて、力的にはやや上かと思われた東浦だったが、2~4回はあっさりと三者凡退。愛知津島の冨田大吾が上手に東浦打線を交わしていた。そして、愛知津島は5回、二死走者なしから3番岩山が右中間三塁打すると、続く野田が左前打で帰し愛知津島が逆転した。東浦の中嶋勇喜監督はここで、先発した背番号7の加藤龍之介を諦めて、19をつけた飯田英樹を投入した。

 飯田はその後を抑えていくが、東浦も反撃をしきれないまま8回を迎えた。

 試合の進行とともに、東浦としてもじわじわと焦りを感じてくるところでもある。そんな8回の東浦は、一死後9番飯田が四球で出ると、エンドランを仕掛けてそれが見事にハマって杉本が右前へクリーンヒットして一三塁。続く嶽本達哉の一打は右中間の大きな打球となるが、これを愛知津島の冨田晃右翼手がダイビング捕球。超美技だったが、これが犠飛となって東浦は同点に追いついた。さらに、二死二塁から3番棟方が中前打で、やっと東浦が勝ち越した。

 東浦としては、このまま逃げ切りたいところである。ことに、8回裏の逆転は、最後のしびれる守りを1イニングだけでこらえきられる場面である。ところが、愛知津島も粘り強かった。前の回に外野の守りで好プレーをした冨田晃が左中間へ運ぶソロホーマーで再び同点に追いついた。東浦の飯田投手としても、まさかのやや出逢い頭的な一発ではあったが、この場面で打った冨田は見事だった。

 その裏、東浦は代打の都合で2番手として登板した愛知津島の玉置に対して、一死から1年生の嶽本敦志が中前打すると、代走の藤村昂が盗塁とわずかな暴投のスキを突いて三塁まで進む。その後、二死満塁となって最も信頼のおける1番杉本に回ってきたが、ここは愛知津島バッテリーが頑張った。杉本はやや力みもあって、あたり損ない気味の二塁ゴロとなった。

 こうして、試合は結局延長にもつれ込んでいった。

 延長に入って、東浦は飯田が続投していくが、リリーフした当初よりもマウンドに馴染んだ形で、いいリズムで投げていた。そして迎えた10回裏。東浦は先頭の2番嶽本達哉が四球で出ると、バントで二進。一死二塁で4番村田が右中間二塁打。これが、サヨナラ打となった。

 どちらも今の段階で、持てる力の限りを出し尽くした試合。最後は、わずかながら気持ちに余裕のあった東浦がここまで当たっていなかった主砲の一打で決めた試合だった。

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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