浜田vs三刀屋

　華やかな開会式の興奮冷めやらぬ雰囲気の[stadium]県立浜山球場[/stadium]。多くの観客に見守られる中、浜田、三刀屋の両校による今大会の開幕試合が行われた。浜田は春夏合わせて15回の甲子園出場を誇る、言わずと知れた県有数の名門。対する三刀屋も1978年夏に甲子園出場を果たした経験を持ち、今大会の開幕試合は「古豪対決」とも言える顔合わせとなった。

　先攻・三刀屋、後攻・浜田。先発は三刀屋が内田、浜田が重川と両校エースをマウンドに送り込んだ。
　重川、内田両投手とも快調な滑り出しを見せ、序盤3回終了まではスコアボードに次々と「0」を刻みこんでいく。
　試合が動いたのは4回表。一死後三刀屋5番大森が左中間を深々と破る三塁打でチャンスメイク。続く6番のエース内田は二塁後方にフラフラと上がる飛球を放つ。この打球を浜田の二塁手・水川が捕球出来ず。ポトリと落ちるラッキーな安打となり、三刀屋が先制に成功。

　その後も三刀屋先発のエース内田の好投は続き、5回終了時点で被安打2、毎回の10奪三振。このまま浜田打線を封じ込めるのでは。そんな空気が球場内に立ち込めていたが、グラウンド整備を挟んだ後の6回に再び試合が動く。

　6回ウラ、浜田は先頭の9番重川が空振り三振、1番中嶋は投ゴロに倒れ、あっさりと二死を奪われるも2番辻が中前打で出塁。二死一塁で迎えた3番大谷が内田を捉え、今大会第1号となる2点本塁打。レフトポール際に飛び込む主砲の一発で浜田が逆転に成功した。

　追う立場となった三刀屋は8回表、先頭の2番朝日が中前打、3番後藤裕が右前打で続き、無死一三塁。ここで迎えた4番渡部烈が左前適時打。三刀屋が同点に追いつく。

　同点に追いついた直後の8回ウラ、内田は浜田打線を三者凡退。9回表二死から失策と安打で一三塁と三刀屋打線に攻め込まれた重川だったが、迎えた4番渡部烈を空振り三振に仕留め勝ち越しを許さず。前の打席で手痛い一打を浴びた4番相手にエースの気迫を見せた。

　ピンチをしのいだ浜田は9回ウラ一死後、4番寺本が右前打で出塁。続く5番永田の投ゴロの間に進塁し、二死二塁。打席に迎えたのは6番の主将・水川。内田の投球に逆らわず弾き返した打球は右前へ。主将の一振で浜田がサヨナラ。劇的な幕切れで今夏の「一番星」を手にした形となった。

　敗れはしたものの三刀屋のエース内田は13奪三振をマーク。力強い直球、切れのある変化球で快投を見せた。対する浜田の重川は9安打を浴びながらの粘りのピッチング。8回表、4番渡部烈に同点打を浴びた後に一死満塁と攻め込まれたものの、後続を断ち、1失点に留めたことが結果的に勝利を呼び込むポイントとなった。
　見どころ満載のシーソーゲームとなった開幕試合。この試合のような熱戦が今後も繰り広げられることを期待したい。

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