試合レポート

本庄東vs坂戸西

2017.07.16

本庄東・桐敷10奪三振完封で4回戦へ

 初戦で米倉貫太(2年)擁する強豪・埼玉栄を破り、最高のスタートを切ったDシード・本庄東と、4月に監督交代があり、その動向が注目される新生・坂戸西との一戦、試合は桐敷がシード校の貫録を見せる形となった。

 

本庄東の先発は前の試合同様エース・桐敷拓馬(3年)、一方の坂戸西も前の試合同様に背番号18の2年生右腕・小高将己(2年)が先発し試合が始まる。

 

 小高はオーソドックスな右腕であり、目測でMAX130km前半の直球に変化球を交える投手だ。一方の桐敷は力投型左腕であり、勝負所でMAX130km中盤の直球をインコースに投げ込む強気な投球を見せる。

 

 前の試合で白岡を撃破し勢いに乗る坂戸西は、初回桐敷の立ち上がりを攻め、一死から2番・枝晴樹(2年)がショートへの内野安打を放ち出塁すると、続く赤池陽(3年)もライト前ヒットを放ち一死一、二塁とチャンスを広げる。だが、後続が連続三振に倒れ無得点に終わる。

 

 するとその裏、本庄東坂戸西・小高の立ち上がりを攻め立て、先頭の桜井拓人(3年)が初球を捉えレフトフェンス直撃の二塁打を放ち出塁すると、続く鈴木颯太(3年)がきっちりと送り一死三塁とする。ここで3番・鈴木がセンター前タイムリーを放ち本庄東が1点を先制する。

 

 本庄東は3回裏にも一死から1番・桜井がライト前ヒットを放つと、続く鈴木も左中間へ二塁打を放ち一死二、三塁とする。ここで、3番・石井華斗(3年)がライト前タイムリーを放ち2対0とする。

 

 5回裏も、二死から2番・鈴木がライト前ヒットを放ち出塁すると、続く石井もライト線へヒットを放ち一走・鈴木は三塁へ進む。ここで、4番への代打・森田拳二朗(3年)がショートへタイムリー内野安打を放ち、本庄東が貴重な3点目を奪う。


 一方、3点を追いかける坂戸西も7回表、この回先頭の増岡亮(3年)がセカンドへの内野安打で出塁すると、すぐに盗塁を決め無死二塁のチャンスを掴む。ここで坂戸西ベンチは強攻の指示を出すが、続く安田直生(2年)は走者を進められずサードゴロに倒れると、後続も倒れどうしても1点が奪えない。

 

 8回裏にも本庄東は一死から5番・小野瀬英晴(3年)が死球で出塁すると、続く宮本侑拓(3年)との所でベンチはエンドランをかける。これが見事に決まりセンター前ヒットとなると、さらにセンターがこの打球を逸らす間に1点を追加する。投げては桐敷がピンチこそ招くが要所を抑え無失点に抑える。危なげなく4対0で勝利した本庄東が4回戦へ駒を進めた。

 

 まずは本庄東だが、この日の桐敷はあまり良い出来とは言えない内容であった。それでも、勝負所ではギアを上げ三振を奪うなど、結局、坂戸西打線から二けた10三振を奪い完封するあたりはさすがだ。だが攻撃面は、二けた12安打を放ちながらも、序盤で二度盗塁に失敗するなど、持ち味である足を絡めた攻撃がやや機能せずつながりを欠いた。このあたりは修正ポイントであろう。今後、強豪と対戦する際にこういう試合運びをしてしまうと勝つ可能性が下がってしまうだけに次戦までに修正しておきたい。

 

 一方の坂戸西だが、小高はこの日11安打を浴びながらも粘りを見せ最少失点で切り抜けるなど良く投げていた。打線も7安打を放つなど度々塁を賑わせていたが、勝負所で一本が出なかった。幸いバッテリーを含めスタメン5人が2年生と若いチームだ。その2年生達が好投手・桐敷から難なくヒットを放つなど、既にチームの主力となっている。

 4月に監督交代という不安要素を抱えながら迎えた今大会は3回戦敗退で終わった。だが、2年生の台頭という得るものも多かった、新生・坂戸西は秋以降も投打共に注視すべき存在であろう。

(文=南 英博

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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