北条vs内子
「緩まぬ」北条、大物食いの予感
点差こそ離れたが、両チームがトップフォームを見せた好ゲームだった。
内子は投手が乱れ毎回失点を喫したが、6回裏には0対11の状況から無死満塁のチャンスを作り、途中出場の5番・谷田 恵亮(3年・右翼手・176センチ65キロ・大洲市立肱川中出身)の左前適時打などでこの回でのコールド負けを阻止。今後は186センチ92キロの大型右腕・畝中 拓哉(2年・右投右打・大洲市立長浜中出身)を軸にチームを組み立てることができれば、面白い存在となりそうだ。
そして1996年夏の甲子園決勝戦・松山商「奇跡のバックホーム」時の指揮官として名高い60歳・澤田 勝彦監督が指導8年目を迎える愛媛北条。今季は「明るく(活気) 激しく(闘志) 冷静に(判断力) 気持ちを込めて」をスローガンに掲げる彼らには全く緩んだところがなかった。
内子に6回裏2失点を喫し、普通なら落胆を隠せない7回表も3点を加えるなど19安打・毎回の14得点。素晴らしいダッシュ力で絶妙のバント安打を2本決めた2番・鶴岡 錦之介(2年・中堅手・165センチ59キロ・えひめリトルシニア出身)は5打数5安打1打点3盗塁と暴れまくり、4番の西本 祥大(3年・一塁手・187センチ99キロ・右投右打・えひめ港南リトルシニア出身)はストライクからボールになる変化球にバットが止まるようになった結果。3番の上田 陣義(3年・右翼手・右投右打・松山市立北中出身)と共に4安打4打点。ここまで高校通算24本塁打を積み上げながら公式戦本塁打0の西本だが、このスイングができれば問題はない。
これで愛媛北条は4年連続となる夏の愛媛大会初戦突破。一方、2年前はセンバツ1勝の松山東に激戦の末敗れるなど「2勝目」はいまだ遠い日々が続く。ただ、この試合で見せた「緩まぬ」姿勢を7月17日(月・祝)9時・坊っちゃんスタジアムプレーボールとなるセンバツ出場の第1シード・帝京第五戦でも貫けたとしたら……。学校創立70周年の記念すべき年に「大物食い」と愛媛大会2勝目の壁を破る快挙が同時に達成できる瞬間が到来する可能性は、一気に高まってくる。
(レポート=寺下 友徳)
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