明徳義塾vs帝京第五
明徳義塾2年生右腕・市川 悠太の「進化」
市川 悠太(明徳義塾)
1回戦では英明を9対4で破った帝京第五と、同じく1回戦では鳴門渦潮を4対0を下した明徳義塾との準決勝。2対11で明徳義塾が大勝した昨秋四国大会決勝戦、9対0で帝京第五が快勝したセンバツ直後の練習試合に続く今シーズン3度目の対戦である。
明徳義塾の先発は強打・鳴門渦潮打線を4安打完封した北本 佑斗(3年・左投左打・170センチ68キロ・大阪泉北ボーイズ<大阪>出身)ではなく、背番号「11」の市川 悠太(2年・右投右打・183センチ70キロ・高知市立潮江中出身)。実はこの日、市川は最速141キロのストレートと、センバツ前・浦和学院(埼玉)との練習試合で12奪三振を原動力となった宝刀スライダーの他に「新球」を隠し持っていた。
それは「(完投勝利の)四国大会順位決定戦の高知戦を終えてから、速い変化球が必要だと感じて1週間前から投げ投げ始めた」(市川)カットボールであった。結果、5回まではストレートを中心とする中、時折交えたカットボールで15アウトのうち9つを内野ゴロで仕留めた。「単調なタイミングになって打たれた」(馬淵 史郎監督)6回表の配球には課題が残るが、北本に続く2本柱と一角となったことは間違いない。
一方、帝京第五は6回表に4安打を集中させ一時は3対1と逆転。最終回にも右翼手失策を絡めて2点を奪い計5得点と「打線では収穫があった」(小林 昭則監督)。一方、先発の佐藤 蒼介(3年・右投左打・170センチ67キロ・B.B.凌駕<ヤングリーグ>出身)は、チェンジアップ系の動くボールを駆使し5回まで1失点も、スタミナが切れたラスト3イニングは7失点。英明戦で11安打を浴びながら4失点完投した髙橋 謙信(2年・右投右打・173センチ71キロ・B.B.凌駕<ヤングリーグ>出身)に続く、「3枚目」不足が露呈した格好だった。
(取材・写真=寺下 友徳)
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