川越東vs所沢西
長打攻勢で川越東が所沢西を圧倒、新監督も県大会進出で安堵
山口 航平(川越東)
この4月に、県立校の坂戸西の教員で野球部監督という立場を辞して、請われて川越東に異動した野中祐之監督。この大会が、新天地で初采配となるのだが、まずは地区代表戦をクリアして安堵したところであろう。
結果的には、投手以外の各ポジションのスタートメンバーは、昨秋のチームと変わらなかったということだが、前任の渡辺努監督(山梨学院大附ソフトボール監督)と、野中監督は、女子のソフトボールを指導していた時代からの旧知の仲でもあり、そのあたりの情報交換はしきりに行われていたようだ。
「今は、選手たちとコミュニケーションをとるためにも、一緒にいる時間を意識して多くしています。私生活のコミュニケーションをとることで、野球でのコミュニケーションも取れていくと思っています。今は、いろんなことを確認しながら進めていっているという感じですね。選手たちには、もし、困ったり、悩んだりしたら、渡辺先生に連絡を取ってみてもいいんだよということは言っています」
その川越東は初回、一死二、三塁で4番青山陽哉君が左翼スタンドへ放り込んで3点先取さらに、1点を返された3回にも、その裏に1番山本修平君が右翼へソロホーマーして突き放す。さらに6回にも、一死二塁から8番黒川浩平君以下、山口航平君、1番山本君と三者連続二塁打でリードを広げていき、7回には二死一、二塁から、黒川君が左中間へ好打して7点差としてコールドゲームとなった。
川越東のマウンドは、この日が公式戦初登板と言う山口航平君だったが、4回を除く毎回の8安打をされつつも、粘り強く投げていった。併殺も3つと、バックを信頼した投球だった。
「途中で、交代を考えていたのですけれども、本人が『投げさせてください』と、直訴してきましたから、7回までは行こうとそのまま投げさせました」と、野中監督は選手の積極的な意識と姿勢を買っていた。
所沢西は、先発の橋本和希君から田川雄一君、そして4回無死一塁からは4番でレフトに入っていた背番号1の髙野素維君と、前田聡監督は比較的早い継投でしのいでいこうとしたが、川越東の長打攻勢の前に屈する形となってしまった。それでも、3回には9番の神田真広君から渡辺淳史君、鈴木拓也君と3連打で1点を返すなど抵抗を示していた。また、守りでも、大崩れすることはなかったものの、初回の3ランのダメージは大きかったようである。
新生・川越東を、まずは県大会に導いた野中監督は「選手たちは、急な監督の交代で、選手たちはいろんなストレスを抱えているかもしれません。私としては、野球人として大人扱いをするから、そんな中でいろいろと話をしていこう、ということにしています」と、野中監督も、新しい環境の中で、新たな取り組みを模索しつつも、まずは次のステップでの勝負ということになった。
(取材・写真=手束 仁)
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