千葉明徳vs昭和学院秀英
ニュー・千葉明徳!大型サイドハンド・伊藤陸人が1失点完投勝利!
伊藤陸人(千葉明徳)
千葉明徳といえば、コツコツとつないで、機動力を使って点を返し、小刻みな継投策でしのいで勝っていく…というのがスタイルだが、今年の千葉明徳は違う。岡野隆太郎監督の方針上、今年は体をしっかりと計画をもって大きくしようと決めて、加圧トレーニングと食トレなどでしっかりと鍛え、身長が高い低い問わず、体格が良い選手がずらりと登場していた。特にエースの伊藤陸人は昨年と身体が大きく成長した。昨夏、翔凜戦に先発。7回表に同点打を許した時、「バテバテで全然投げられなかった」ことを反省し、この冬はウエイトトレーニング、授業の合間にもご飯を食べるなどをして、体を大きくして、8キロの増量に成功して、現在、184センチ80キロと、千葉県内でも屈指の大型サイドハンドまで成長した。体重増加したことで伊藤は、「やっぱりボールの勢いが違います」と手ごたえを実感している。
この試合について伊藤は「調子は良くなかった」と語るが、それでも常時120キロ後半~130キロ前半(最速133キロ)の速球をコンスタントに投げ込んでいる。高校生ではなかなか130キロ台を投げられる右サイドはいないだけにエンジンの大きさを実感させてくれた。好調時は最速137キロを計測するという伊藤。
ストレートはもちろんだが、サイド特有のスライダーの切れ味が素晴らしい。奥行きもある投手で、将来的には140キロ台も見込める投手だ。大型サイドハンドは希少価値が高いだけに、今後も注目の逸材だ。
その伊藤だが、1回裏、二死二塁から4番朝日の適時打で1点を失うが、2回表に、千葉明徳は敵失で逆転に成功し、9番清水の適時二塁打で3対1と点差を広げると、さらに7回表には二死二塁から4番菅井 紀美靖が中越え適時二塁打を放ち、4対1とした。
菅井は楽しみな左の強打の捕手。もとからがっしり体型だが、さらに体に厚みが増して、打球の強さは出てきた。スローイングも2.0秒を切るスローイングが持ち味だが、イニング間の送球を見ると、軽く投げても、力強い送球ができていた。伊藤はたびたび走者を背負いながら、辛抱強い投球で1失点完投。伊藤-菅井のバッテリーは県大会でもより注目となるだろう。
パワーアップに成功した千葉明徳。県大会ではその成果を発揮することができるか注目したい。
(文・写真=河嶋 宗一)
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