滋賀学園vs智辯和歌山
滋賀学園打線爆発!智弁和歌山も1年生スラッガー・林に期待
林(智辯和歌山)
打撃戦を予感させる先頭打者本塁打であった。智辯和歌山の1番蔵野真隆の先頭打者本塁打で先制。さらに3番林晃汰も本塁打を放ち、いきなり本塁打2本で2点を先制した智弁和歌山。まさに智辯和歌山らしい点の取り方で、2回裏に1点を返されたが、3回表には林の二打席連続本塁打となる2ランで、4対1。智辯和歌山に流れに傾くかと思われたが、3回裏、小浜の2ラン本塁打、3番後藤克基の本塁打でたちまち同点に追いついてしまい、試合は分からない展開となってしまう。
そして5回が終わって4対4と同点のままで6回に突入した。そして6回表、智辯和歌山は二死二、三塁のチャンスを作って、二打席連続弾を放っている林。その林がノーストライクスリーボールからだった。「高嶋仁監督からいけ!と指示がきていたので、思い切って振りに行った」とストレートを振り抜いた打球は右中間を破る適時二塁打となり、二者生還。6対4と勝ち越す。これで林は3安打2本塁打5打点の大活躍。すさまじい活躍である。
この日で高校通算11号、12号本塁打を放った林。タイミングの取り方を見ると、足を高々を上げてから、前へ大きく踏み込む。トップの動きを見ると少し捻りを入れながら、救い上げるような豪快なスイングで打球を飛ばす。1年春からパワー自体は素晴らしいものを持っていた選手だったが、まだ確実性が欠けていた選手であった。だがここにきてボールをコンタクトする技術が高まってきており、この日は滋賀学園のエース・神村月光に対して、ストレートに狙い球を絞り、チェンジアップ系がきたらひきつけて打つ狙いだった。第1打席はチェンジアップ、第2打席はストレートをしっかりと打ち返して、どちらも特大本塁打となった。
178センチ87キロと体格も良く、プレーを見ると、だいぶキレが出てきて、筋力系や瞬発系のトレーニングをしっかりと取り組んでいるのがうかがえる。それでいて、スラッガーに重要な太ももの太さもある。本当に楽しみなスラッガーが出てきた。
眞藤司(滋賀学園)
このまま逃げ切りたいところだったが、滋賀学園打線が爆発。6回裏には知念良智の安打、6番山本峻平の適時二塁打で1点差に迫ると、その後、一死三塁となって、代打・田中嘉津磨の適時打で同点に追い付いた後、1番眞藤司のバックスクリーン弾で勝ち越しに成功した。これで活気づいた滋賀学園は7回裏にも知念の適時二塁打、2番手のリリーフ・棚原孝太の適時二塁打で3点を追加すると、8回裏には、4番武井琉之の2ラン本塁打でコールド勝ちを決めた。
14安打4本塁打13得点。追い風で本塁打になりやすい状況下にあったとはいえ、各選手の打撃が素晴らしい。
1番眞藤は、トップをしっかりと取って、強く踏み込んで振れる外野手で、1番打者とは思えないパワフルな打撃を見せる選手。外野守備も安定している。2番小浜も、基本的に内野手の間を抜く打球を打つ選手だが、本塁打を放ったように去年よりもパワーが出てきている。そして遊撃守備も安定しており、今後が楽しみなプレイヤー。
3番後藤はリードセンスと勝負強い打撃が光る好捕手だが、ここにきて体格ががっしりしてきて、スイングにも力強さが出てきた。スイング軌道も弧を描くようにして強く叩けたことで、今後も本塁打量産が期待できそうだ。
サヨナラ本塁打を放った武井は、173センチ65キロと細身ではあるのだが、レベルスイングで振り抜くバットスイングは非常に鋭い。ボールを飛ばすツボ、ポイントをわかっている選手といえるだろう。
去年以上の破壊力のある打線を作りあげた滋賀学園。再び選抜の切符を手にするには、あとはどれだけエース・神村が復調できるかにかかっている。
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