日大三vs駒大高

先発・櫻井 周斗（日大三）

　日大三の先発・櫻井 周斗は背番号8、駒大高の先発・吉田 永遠は背番号3と、ともに野手の背番号であるが、球にキレがあり、序盤は息詰まる投手戦になった。

　1、2回は両チームとも、三者凡退。最初にチャンスを迎えたのは日大三であった。
3回表、8番八木 達也、9番津原 瑠斗の連続安打に、2番大西翔の四球で二死満塁となったが、ここで3番櫻井は三振に倒れた。
チャンスで三振に終わった櫻井であるが、投げてはスライダーのキレがよく、3回が終わった時点で早くも奪三振５を記録していた。
4回表日大三は4番比留間 海斗の遊ゴロを、遊撃手の一塁送球が暴投になる間に比留間は二塁に進み、5番日置航の中前安打で生還して、1点を入れた。

　しかし、5回、6回と走者を出すものの、得点に結びつかない。日大三らしい猛打は影を潜めた感じだが、日大三の小倉 全由監督は、「相手の投手が打ちにくいこともありましたから」と語る。

　練習ではひときわ目立つ、身長193センチ、体重101キロの巨漢・金成 麗生も3打席で安打はなかった。「今日はもう一つでしたが、バッティングは悪くないし、ホームラン率の高い選手です」と小倉監督は言う。

　駒大高の先発・吉田永は、球威があるうえに、落ちる球にもキレがあり、好投していたが、4回表と同様、7回表も、失策をきっかけに失点する。

　この回の先頭、日大三の1番井上 大成が二失で出塁すると、2番大西の犠打で二塁に進み、3番櫻井は左前安打を放ち、井上が生還。自らの投球を楽にする、貴重な追加点となった。さらに4番比留間のライト線への二塁打で櫻井も生還した。

　8回表は2番大西、3番櫻井、4番比留間の三者連続安打に、5番日置の二塁打などで一気に5点が入る。
その裏櫻井は奪三振2を含む三者凡退で切り抜け、8-0の8回コールドが成立した。

　この日好投した櫻井は、中学生時代は主に野手だった。本格的に投手を始めたのは高校に入ってからだ。夏の西東京大会では打ち込まれた初戦の佼成学園戦や、敗れた準決勝の東海大菅生戦にも先発登板している。苦しみの中で実感したのは、「コースを投げ切れないと打たれる」ということだったと言う櫻井はこの夏、「コーナーに投げることを意識して、投げ込みをしてきました」と語る。日大三は、試合の前半は相手投手の好投で苦戦を強いられたが、相手のスキを突く攻撃は健在で、まず順調なスタートと言っていい。

　一方駒大高は、吉田永の好投で、日大三相手に前半は互角の試合をした。ただし、失策が失点につながったことが惜しまれる。潜在的な力はあるチームだけに、守備面を中心に鍛え直し、春は成長した姿をみせてほしい。

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