昭和一学園vs都立田無
少ない得点をしっかり守っていく、ほぼイメージ通りの野球ができた昭和一学園
昭和一学園・須貝君
秋季東京都大会は今週末から始まった。今年から、本大会参加は64校となった。これは不戦勝となる学校はなくして、優勝までは平等に6試合戦うということにしようということからでもあった。その1回戦が32試合。この3連休で消化されるという日程だったが、8日と9日連日の雨で日程は大幅に変更になった。
[stadium]立川球場[/stadium]での初戦は雨で都合3日延びた。再度仕切り直しの形で、地元立川市の昭和一学園と西東京市の都立田無との対戦となった。昭和一学園は、立川球場から自転車で15分程度ということもあって、中止になった後は切り替えてすぐに学校に戻って練習をしていたという。
昭和一学園は社会人野球の強豪として名を馳せたシダックスでの監督経験もある田中 善則監督が就任して3年目、近年徐々に力を示してきている。「そんなに得点の取れるチームではありませんから、しっかりと守備を固めていくというところから始めていかなくてはいけません。そして、少ない得点をきっちりとも守っていかれれば何とかなるのではないでしょうか」という思いだが、この日の試合はまさにそんな試合内容だった。
昭和一学園は2回、先頭の5番鶴田君が右中間二塁打するとバントで送ってまずは一死三塁を作る。ここで菅谷君が左越三塁打して先制したが、さらに8番山下君も中前打して三走の菅谷君も迎え入れてこの回2点を先取。4回にも菅谷君、山下君と下位の連打でチャンスを作ると、しっかりと送って二三塁として、一番の本橋君が左前打で帰した。さらに5回にも、中越三塁打の樋口君を鶴田君が中前打で帰すという形で4点目。いいところで長打が出たり、連打が出たりという形で、昭和一学園としては効率よく得点が入っていった。
6回に一矢を報いる三塁打を放った田無・石川君
そして、この得点を派手さはなくてもしっかりと守っていこうという姿勢で、田中監督の思惑に近い形の試合運びとしていくことが出来たようだ。「もちろん、夏から試合に出ている3番(樋口君)4番(田中僚君)なんかは、もっと打ってくれなくてはいけないんですけれども…、それを言い出したらきりがありませんからね」と、打撃には、不満も残しつつも手ごたえは感じていたようだ。
また、投手に関しては、背番号15の先発した山下君が、7回途中まで投げて、一死一二塁というところで、「少し球数も多くなりすぎていた」ということもあって、「気持ちスランプのない子なので、ここというところでは任せられる」という田中監督の信頼も厚い須貝君を送り出した。その須貝君は、起用に十分こたえた好投で、ピンチを併殺で切り抜けると、8、9回も安打を許すことなく安定した投球だった。
結局、4安打1得点で抑え込まれた都立田無は、6回に石川君と、篠崎君が連続長打して一矢を報いたにとどまってしまった。ここでも、さらに続いた無死三塁という場面で、土田君の左飛で本塁を狙ったところを本橋君が好返球で刺すなど、しっかりとした守りで都立田無の反撃を食い止めたのも大きかった。
(文・写真=手束 仁)
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