試合レポート

九州国際大付vs福岡工大城東

2016.07.30

両校一歩も譲らぬ接戦を制した九州国際大付が3年連続で甲子園の切符をつかむ!

 福岡134チームの頂点を決める福岡県大会決勝戦が[stadium]北九州市民球場[/stadium]で行われた。ここまで準々決勝の福岡自由ヶ丘戦以外すべて4点差以上を付け、圧倒的な強さを見せた昨年覇者の九州国際大付。一方、準決勝で勢いのある福岡第一をサヨナラで破り、10年ぶりの甲子園出場を目指す福岡工大城東九州国際大付の先発は藤本 海斗福岡工大城東青山 凌太朗が登板し、両投手140キロを超すボールが持ち味のエース同士の対戦となった。

 九州国際大付は初回、2番山脇、3番石橋 大智が連続四死球で出塁しチャンスを作るが、4番渡邊 勝太、5番安永 元也を三振に打ち取られ、チャンスを逃す。

 続く2回、7番藤本がレフトオーバーのツーベースヒットを放ち再びチャンスを作り、8番永岡 大昇が右中間へのタイムリースリーベースヒットを打ち先制点をあげる。さらに9番鳥井が犠牲フライを放ちこの回2点を先制する。

 さらに4回先頭の6番尾仲 力斗がレフト前に弾き返すと、二死二塁から9番鳥井がセンター前にヒットを放ち1点追加。さらに1番中山がライトへのツーベースヒットを放ち4点目を挙げ福岡工大城東を突き放す。

 点差を詰めたい福岡工大城東は5回、先頭の7番山口が中間へのツーベースヒットを放ち、この試合初めて先頭打者が出塁した。その後チャンスを広げ、一死三塁から9番西田がセンターへの犠牲フライを放ちついに1点を返した。

 続く6回にも、福岡工大城東は4番渡邊が四球で出塁すると、5番船越 慎也、6番吉村の連続ヒットで一死満塁のチャンスをつくり、7番山口がセンターへの犠牲フライを放ち1点を追加。その裏、九州国際大付打線をこの試合初めて三者凡退に抑え、試合の流れが徐々に福岡工大城東に傾き始め、次の1点は非常に重みのある1点になった。

 ここまで坂元に抑えられてきた九州国際大付は、この試合あたっている9番鳥井が出塁するなど、一死一三塁の絶好のチャンスを作るが、3番石橋がショートゴロゲッツーに倒れ、坂元の気迫の籠った投球の前に得点を奪うことができない。


 ピンチを切り抜けた福岡工大城東は先頭の村上がヒットで出塁すると6番吉村が四球で出塁、7番山口がセンター前にヒットを放ち一死満塁のチャンスを作る。そしてここまで好投を続ける8番坂元がライト前に弾き返し1点差に詰め寄る。尚も満塁のチャンスだったが9番西田の打球はサード正面のライナーになり、ランナーが帰塁出来ずこの回も1点で終わってしまう。

 しかし最終回の福岡工大城東は二死から3番安藤がセンター前ヒット、4番村上も続き一二塁のチャンスを作り驚異の粘りを見せる。続く5番船越の強烈な打球はショート尾仲の好守備に阻まれゲームセット。甲子園への切符は三年連続で九州国際大付が手にした。

 福岡工大城東先発青山は初回、決勝戦の緊張感からか初回から制球が定まらず、先制点を九州国際大付に与えてしまい、2回途中で無念の降板になってしまった。続く2番手坂元 翔太は安打を許すも、左横手からコーナーを丁寧に突き、多彩な変化球で打たせて取るピッチングを見せ、王者相手に貫録のピッチングを見せた。打線は序盤に相手エースの藤本に抑えられていたが、中盤以降に打線が奮起し3点を奪い、最終回も二死からチャンスを作る粘りを見せたが、一歩及ばず敗戦を喫した。

 一方九州国際大付の藤本は初回から落ち着いたピッチングで、変化球を低めに集め福岡工大城東打線を序盤、ヒット1本に抑えたが、中盤以降疲労からか四球が目立ち、相手打者に捉えられる場面が多くなっていき、逆転のピンチも幾度となくあったが、粘り強いピッチングで一死満塁のピンチでも最少失点で抑えるなど好投を続けた。野手陣も、攻撃では中盤から坂元から得点を奪えず苦しい展開となったが、守備面では失策もなくエースを鼓舞する見事な守備で勝利を掴んだ。

 両投手ともにここまで勝ち上がり、疲労もピークに迎え、満身創痍の中好投を続け、1点差の好ゲームとなったこの試合はどちらが勝ってもおかしくない素晴らしい試合となった。勝利し、聖地・甲子園への切符を手にした九州国際大付は大舞台でも福岡工大城東をはじめとする福岡県のチームの思いを背に熱闘を繰り広げてもらいたい。

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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