二松学舎大附vs都立江戸川
鉄腕大江竜聖!粘る都立江戸川を振り切り二松学舎大附が準決勝へ!
第1試合の劇的な幕切れの余韻も引いてきた午前11時、第2試合がプレーボールとなった。対戦するのは、二松学舎大附と都立江戸川。ここまで3試合全て完投している鉄腕にして好投手・大江 竜聖に都立江戸川の強力打線が挑む。
二松学舎大附・大江 竜聖、都立江戸川・山田 良樹の両エースの先発で始まった試合が動いたのは初回だった。
1回表の二松学舎大附の攻撃を三者凡退で退けた都立江戸川はその裏、1番・吉田 賢人がライトへ打球を飛ばす。二松学舎大附ライトはいったん前に出るも、想定より打球が伸びたか再び後ろへ。だが頭の上を越され吉田賢は二塁へ出塁する。記録はツーベースヒット。2番・河野 雄太は送りバント。大江のやや正面に転がしてしまい、三塁アウトかと思われたが、二松学舎大附内野陣が三塁をカバーできず、大江は一塁へ送球。一死三塁と送りバント成功という形になる。そして続く3番・星野 充の打席。星野を三振に取るも、ボールは逸れグラウンド上に転がる。二松学舎大附バッテリーはそれをお見合いのようにしてしまい足が止まる。その隙に三塁から吉田賢が生還。都立江戸川が隙を見逃さず、振り逃げの間に1点を先制する。
記録上には残らないがミスが頻発という二松学舎大附としては嫌な形でスタートした試合。早いうちに反撃をしたいところだが、都立江戸川先発・山田 良樹の前に抑え込まれ、チャンスを作ることすらできない。
だが、打順が二周り目に入った4回表、二松学舎大附は先頭の2番・島根 寛人が内野安打で出塁。3番・堀川 尚希が送り、4番・市川 睦はヒットで続き一死一三塁とチャンスを作る。ここで5番・今村 大輝がライトへタイムリーを放ち、同点に追いつく。
なおも一死一二塁とチャンスが続いたが、ここは都立江戸川・山田が粘り同点どまり。
しかし、勢いに乗る二松学舎大附は続く5回表、二死満塁から4番・市川がタイムリーを放ち二松学舎大附が2点を追加。3対1と都立江戸川を逆転しリードを奪う。
都立江戸川はその裏、7番竹田 友哉、1番・吉田のヒットで二死一二塁とすると、2番・河野が四球を選び満塁とする。しかしここから大江が本気モードを見せる。147キロ、148キロと2球ストライクを決める。147キロで決めに来た3球目はやや外れてボールとなるも、4球目も148キロの直球でストライクを取り見事三振に仕留める。
それでも食らいつく都立江戸川は6回裏、二死一塁とすると打席にはこの日大江から2本ヒットを放っている7番・竹田。ここで竹田はライトへスリーベースを放ち、都立江戸川が1点差に迫る。
投げては都立江戸川・山田もランナーを背負いながら粘りのピッチングが続く。ここまで勝ち上がってきた試合もこうして粘って味方の得点を呼び込んできた。
だが9回表、二松学舎大附は一死から9番・大江がヒットで出塁。1番・三口 英斗がバントで送り、二死二塁とすると、2番・島根がライトへタイムリーツーベースを放ち大きな1点を追加。これで勝負あり。
大江は9回裏の都立江戸川の攻撃を3人で抑え、これで4戦連続の完投勝利。二松学舎大附が準決勝に駒を進めることとなった。
(文=青木 有実子)
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