観音寺中央vs英明
魅せた「最大徹底力」!観音寺中央、10人連続出塁で英明下しベスト4!
見るたびに感心させられる。観音寺中央の「全力疾走」のことだ。アップでグラウンドに入る瞬間から、試合終了の挨拶に至るまで全員に全く緩みがない。「野球部訪問」でも触れた、ショートダッシュを中心とした普段の練習を、彼らは披露の場で存分に出し切っている。
そして、この英明戦ではそんな観音寺中央の最大徹底力が試合の勝敗を分けた。試合序盤から甘いコースに的を絞り、コンパクトなスイングに徹してきた彼らは2対2で迎えた8回表二死走者なしから、6回に左翼手から2番手マウンドに立った英明・藤井 拓海(2年・180センチ86キロ・右投右打・高松市立太田中出身)に襲い掛かる。
7番・三好 佑弥(2年・捕手・165センチ64キロ・右投左打・善通寺市立東中出身)以下下位打線の3連打で満塁とすると、1番・橋口 怜衣(2年・右翼手・右投左打・180センチ76キロ・三豊市立三野津中出身)が低いライナーで左中間を破る勝ち越し三塁打。さらに観音寺中央は、投手ベースカバーの遅れを見逃さない全力疾走で内野安打2本を奪うなどこの回だけで10人連続出塁、8安打2四球で8点を奪う猛攻を見せた。
対する英明もその裏、執念を見せ1番・吉岡 宏芙(2年・三塁手・右投右打・171センチ67キロ・高松市立香川第一中出身)のこの日2本目のアーチとなるグランドスラムなど11人攻撃で6得点。ただし、やはり8点を返し切ることはできず。観音寺中央が勝ち越し後も集中力を切らさず奪った「8点」の重みは、6年ぶりのベスト4進出の最大要因となった。
かくして最速140キロの好右腕・佐藤 圭悟(2年)擁する三本松を攻略した初戦に続き、実力では間違いなく格上の英明をも下した観音寺中央。投打に実力者が居並ぶ尽誠学園との準決勝でも、彼らは全力疾走を基盤とした「最大徹底力」で挑戦する。
(文=寺下 友徳)
注目記事
・第98回全国高等学校野球選手権大会 特設ページ