川越工vs児玉白楊
4回に一気に爆発して、川越工がシード校の貫禄で5回コールド
かつて二度、甲子園出場もある川越工。しかし、ベスト4に進出した1973年を最後に甲子園には届いていない。もう、40年以上も前のことである。
近年は、実業系の学校そのものがなかなか元気がなくなってきているというのも現実である。そんな中で、川越工の熊澤光監督は、「工業校に元気を…」という思いで、取り組んでいる。その成果が徐々に実を結んできていているようだ。
ここ4年間では3度、夏のシード権を得ているが、今年もシード校としての登場である。
川越工の先発は背番号8の宮崎君だった。公式戦初先発ということもあって立ち上がりは少し硬かったのか、先頭の手計(てばか)君にいきなり右前打される。
しかし、その後に四球もあったが、併殺で何とか抑えてこらえた。そして、その裏の川越工は投直併殺で、まずはお互いの投手が打たせながら抑えていくという展開で始まった。
しかし2回、川越工は4番鈴木丈君と小林一樹君の連続二塁打で先制。さらに、一死後阿部君も中越二塁打してこの回2点で川越工が主導権を握った。3回にも、川越工は二塁打の菊政君が内野ゴロで進み、暴投で生還した。
そして迎えた4回、川越工は二塁打で出た小林一樹君をバントで進め犠飛で帰した後、さらに二死走者なしから5連打、小久保君の三塁打や宮崎君の二塁打などもあって5点が入るビッグイニングとなった。この気負いは5回も止まらず、無死満塁から8番大川君が左中間を破って2者が帰ってコールドゲームが成立した。
川越工は先発した宮崎君と、4回からリリーフした小久保君にクリーンアップが2年生。チームが勢いづくと乗ってきそうだ。熊澤監督の「野球部が頑張って、工業校を元気にしていこう」という思いを反映しているともいえるのではないだろうか。
児玉白楊はかつての児玉農工が総合科となって校名変更された。現在は11人の部員でこの夏を戦った。力不足は否めなかったが、限られた中ではあったが、今の範囲でやれることはやったのではないだろうか。
(文=手束 仁)
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