都立高島vs都立青井

　午前中よりも日差しがさらに強さを増し、気温は32度の真夏日にまで上がった江戸川区球場での第2試合は、都立青井対都立高島の対戦。都立青井は部員数9人に対し都立高島は部員数80人、同じ都立対決としてどんな試合展開になるのか期待が膨らむ。

　先制点を挙げたのは先攻の都立青井だった。
　1回表、主将の1番佐藤 圭悟がリードオフマンとして右前安打を放ち出塁。しかし。佐藤は初球から盗塁を狙ったが都立高島の捕手・大竹 諒が強肩を見せつけ盗塁を阻止する。流れが都立高島に向きかけたが、続く2番大野 良明の三ゴロで都立高島の守備の乱れが出てしまい出塁を許してしまう。3番猪狩 洸次が確実に犠打を決め得点圏にランナーを置き、迎えるは、4番平田 正人。平田は初球を振りにいき、右前にふらふらと上がるテキサスヒットでランナーが返り都立青井が先制点を挙げる。

しかし都立高島、自慢の強打で逆転に成功する。1回裏、一死から部員80人をまとめる主将の2番清水 海斗が難しい低目の球を右中前に上手く運び出塁。そして清水は隙を見て第2リードを大きく取りディレードスチールを成功、暴投の間に一気に三塁まで進塁し一死三塁。都立青井の先発・背番号1の和田 裕介を攻めていく。失点をなんとしても避けたい和田は3番の山崎 翔真を三振に打ち取り、踏ん張りを見せる。だが4番5番に連続四球を与え二死満塁のピンチ。無失点で切り抜けたかったが6番の佐藤 魁が三遊間を抜ける当りで2点を返し逆転に成功した。

　リードを貰った都立高島の先発・2年生の中澤 有司郎は2回以降から投球のリズムが良くなってくる。要所を抑えるピッチングで都立青井打線にチャンスを作らせない。身長188cmから繰り出されるストレートが球は浮いていたものの球威でねじ伏せる力のあるピッチングであった。

　4回裏、都立高島打線がさらに爆発。先頭の2番清水がセーフティバントで出塁すると3番の山崎が右中間に三塁打を放ち、1点を追加。さらに4番の大竹がワンボールから2球目を捉え中前に適時打を放つ。無死一塁で7対1。ガンガン攻めていくと思われたが、5番の柴田 葵は堅実に犠打を決め一死二塁。その後も6番7番の連続安打で1点を追加。

　都立青井は少し疲れが見え始めた和田を変え、中堅を守っていた平田をマウンドに上げる。ここで抑えきりたい都立青井であったが8番代打・大田 舟吾に死球を与え、一死満塁。9番の佐藤 海波が4球目を振り三遊間を抜ける当りで二人の走者が生還し10対1、さらに一死二、三塁で1番老川がスクイズを成功させ1点を追加11対1まで差を広げ、この回だけで打者一巡の猛攻で6点を挙げた。

　5回表は都立高島のエース藤原 一貴が登板し、立ち上がり少し制球は乱れたがそのあとは立て直し無失点に抑え、13時34分試合終了。11対1の5回コールドで都立対決は都立高島が制した。都立高島は11日[stadium]江戸川区球場[/stadium]で都立新宿と2回戦を戦うことが決まった。

　都立青井は部員9人の中、必死に声を出し、ランナーコーチなども全員で交代しながら担当し最後まで諦めないプレー見せてくれた。一方の都立高島も部員80人の大所帯だがグラウンド選手たち、スタンドの選手たちが一つになり声を出して必死に勝利に向かっていた。この試合は「全員野球」というものを教えてくれた一戦であった。

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