試合レポート

明石商vs東邦

2016.03.26

藤嶋健人の言葉の力と魅力!

 試合後、敗者のお立ち台に上がった東邦のエースで主将・藤嶋健人(3年)は、「良いピッチャーでした。相手が上でした」と明石商のエース・吉高壯(3年)を讃えるところから話はじめた。打線はわずか5安打に抑えられ、無得点。それでも、藤嶋という男の人柄がにじみ出ているようである。

 ただ、完敗だったのかと質問をすると、表情を引き締めてこう言った。「負けは負けなのですが、この負けを自分たちにとって大事な試合にしていくことが重要。次にやった時に負けないようにしたい」。これも藤嶋の持つ言葉の力と魅力を感じるコメントだ。

 3失点に終わったピッチングの方では、相手の挾間善徳監督に研究されつくしていたこともあったのだろう。勝負所で高めに浮いた球を明石商打線に痛打された。「今日は直球が浮いてしまったのが負けた原因。もっと低めの意識を持って投げないといけない。自分達がしないといけないバッティングを相手にされたという感じです」と冷静に分析した。

 この大会で強く優勝を意識するコメントを発していた森田泰弘監督もガックリと肩を落とす。藤嶋だけでなく、松山仁彦(3年)と近久輝(3年)の強力な二投手も控え、打線も近年にないほど力強かった。しかし結局、松山と近久を使えず、攻撃でも吉高を攻めきることができなかった。

 このゲームでは松山が先発する可能性も考えられた。初戦で最後の一人だけマウンドを経験している。さらに明石商は初戦で日南学園の左腕・森山弦暉(3年)に苦戦をしていたからだ。もしその手を森田監督に打たれていたら、藤嶋ほどの情報が少ないこともあり、挾間監督にとっては嫌だったかもしれない。

 結果は正攻法でいって敗れたので仕方はないが、監督が全責任を背負い、相手の監督が最も嫌がることを考えてもいいように思う。机上の考えではあるが、勝負には情報戦も含まれている。2回戦以降は特に!

 あくまでも推測ではあるが・・・

明石商vs東邦 | 高校野球ドットコム
注目記事
第88回選抜高等学校野球大会 特設ページ

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.26

【春季四国大会逸材紹介・高知編】2人の高校日本代表候補に注目!明徳義塾の山畑は名将・馬淵監督が認めたパンチ力が魅力!高知のエース右腕・平は地元愛媛で プロ入りへアピールなるか!

2024.04.26

今週末に慶應vs.横浜など好カード目白押し!春季神奈川大会準々決勝 「絶対見逃せない注目選手たち」!

2024.04.26

古豪・仙台商が41年ぶりの聖地目指す! 「仙台育英撃破」を見て入部した”黄金世代”が最上級生に【野球部訪問】

2024.04.26

【奈良】智辯学園が13点コールド!奈良北は接戦制して3回戦進出!<春季大会>

2024.04.26

【春季奈良県大会】期待の1年生も登板!智辯学園が5回コールド勝ち!

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.24

春の埼玉大会は「逸材のショーケース」!ドラフト上位候補に挙がる大型遊撃手を擁する花咲徳栄、タレント揃いの浦和学院など県大会に出場する逸材たち!【春季埼玉大会注目選手リスト】

2024.04.22

【和歌山】智辯和歌山、田辺、和歌山東がベスト8入り<春季大会>

2024.04.23

【春季埼玉県大会】地区大会屈指の好カードは川口市立が浦和実を8回逆転で下し県大会へ!

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.05

早稲田大にU-18日本代表3名が加入! 仙台育英、日大三、山梨学院、早大学院の主力や元プロの子息も!

2024.04.02

【東京】日大三、堀越がコールド発進、駒大高はサヨナラ勝ち<春季都大会>

2024.04.12

東大野球部の新入生に甲子園ベスト4左腕! 早実出身内野手は司法試験予備試験合格の秀才!