帝京vs都立広尾

先発・大胡優太(帝京)

　10月17日、東京大会は2回戦に突入。8試合が予定されていたが、雨天のため[stadium]明治神宮第二球場[/stadium]での2試合のみが行われることとなった。
[stadium]明治神宮第二球場[/stadium]での第1試合は、東京帝京vs都立広尾。
都立広尾は今大会1回戦から出場し、都立東大和と対戦、4対2と逃げ切りに成功し勢いに乗っている。（試合レポート）
その都立広尾に対し、東京帝京は先発に1年生の大胡 優太を送り込んだ。

　試合は初回から動く。
1回表、東京帝京は二死ながら3つの四死球で満塁とすると、6番・浅野 丈が2点タイムリーを放ち先制。さらに7番・田中 麟太郎も2点タイムリーで続き、この回4点を奪う。先発の大胡を勇気づける先制点を奪ったこの2人もまた1年生。東京帝京が層の厚さ、チーム力の高さを見せつける。

　その裏、都立広尾は一死から2番・山田 尚輝がセンターへと弾き返す。山田は一気に二塁へ到達、好走塁を見せる。二死となるが4番・古枝勇之介がヒット、5番・髙橋 勇気が死球と満塁のチャンスを作り出す。絶好の得点機だったが、ここは東京帝京先発・大胡が踏ん張り得点ならず。

　その後2回、4回と東京帝京はこちらも注目の1年生・岡﨑心のタイムリーでそれぞれ1点ずつを追加するが、都立広尾先発・田中 真文の粘りや鋭い牽制に気圧されたか、初回の勢いを見せることが出来ない。

2番・山田尚輝(都立広尾)

　初回のチャンスを逃がした都立広尾は、なんとか守備で踏ん張っているうちに反撃を開始したいところだが、ピンチを脱しすっかり落ち着きを見せる東京帝京先発・大胡の前に沈黙。2回、3回と三者凡退。4回には先頭の4番・古枝が出塁するが、併殺となるなどチャンスらしいチャンスを作らせてもらえない。

　そうこうしている間に回は進み、6対0と東京帝京リードで迎えた7回表。東京帝京打線がつながりを見せる。
一死一三塁から8番・佐藤 優樹の内野ゴロの間に1点を奪うと、代打・安村 陸人がツーベースを放ちチャンスを広げる。ここから1番・相曽 幸宏、2番・佐々木 俊輔、3番・岡﨑、4番・郡 拓也、5番・秋葉 夢大と5連続タイムリーが生まれ、この回一挙に6得点。13対0と都立広尾を遂に突き放す。

　その裏、東京帝京は背番号1・高丸 優太をマウンドへ送り出す。高丸は都立広尾の攻撃をいずれも内野ゴロ、3人でぴしゃりと抑え7回コールドゲームが成立。終わってみれば13対0と東京帝京の快勝となった。

　都立広尾は結果的に初回に得点できなかったのが痛かった。2番・山田の見せた打撃と走塁は球場を盛り上げており、1点でも得点を奪う事が出来れば状況はかなり変わっていたはずだ。だが、そこから立ち直った大胡優太が見事だったと褒めたい。新しい力がどんどんと出てくる東京帝京は、この先の戦いも楽しみな存在であることは間違いない。

（文＝青木 有実子）