都立上水vs都立六郷工科
思い切りのいいスイングで上水が得点を重ねてコールド勝ち
応援してくれた人たちに挨拶をする上水ナイン
都立上水の各打者の思い切りのいいスイングが光った。そして、打線の目が慣れてきたところで、一気に爆発させて、コールドゲームとなった。
やや制球の不安定な都立六郷工科の先発左腕五十嵐君だったが、それがかえって的を絞りにくくさせているのかと思いきや、そうでもなく都立上水の各打者は見極めもしっかりとできていた。初回こそは、2四球の走者を還せなかったものの、2回に中野君が二塁打して、続く7番戸口君が右前打して先制。3回には4番出口君が左前打で出ると、暴投で進んで相手失策で追加点を挙げる。
そして4回、打線も3巡目となってきたところで、2番中村君の右前打と盗塁などで二死二三塁としたところで、出口君がライナーで鋭い打球の右前打で二者を還す。さらに鈴木健君も左翼線に二塁打してこの回3点で5対0とした。
こうなると、やはり力の差が出てしまうのは否めない。5回にも都立上水は一死後二塁打の橋本和君を置いて、9番磯海君が、中堅手横をゴロで抜いていくと、グラウンドの一番深いところへ転がっていって、その状況を見て磯海君は一挙に本塁まで走り抜けてランニング本塁打とした。
さらに7回、連続四球で塁上を埋めていった都立上水は、6番に入っている中野君が右越三塁打して二者を還し、続く戸口君の中犠飛で10点目となりコールドゲームが成立した。
学校全体でも、男子生徒が少なく、30%くらいだという都立上水。学年6クラスだから、各学年で男子生徒は60~70人くらいしかいないということになる。そんな中で、野球部として部活動をキープしていくことは、そんなに容易ではない。新チームでは、1年生と2年生が8人ずつだというが、それでも田中行康監督は、「練習はできる環境なので、何とかやってこられています。今日は、積極的にいかれてよかったのではないでしょうか」と、コールドゲームでの進撃は評価していた。
都立上水は先発中野君も丁寧な投球で、結局、2回に五十嵐君に打たれた中前打一本のみで、その走者も牽制で刺したこともあって、6回まで3人ずつで抑えきった。奪った三振も6つ、ほぼ完璧といってもいい内容だった。
攻守に、都立上水が上回ったという印象の試合だった。
(文=手束 仁)
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