試合レポート

相模原vs横浜隼人

2015.04.30

相模原が打力で圧倒!横浜隼人を破り準決勝へ!

先発し完投勝利した宮崎投手(相模原)

 [stadium]横浜スタジアム[/stadium]での第一試合は14時半より開始予定であったが、開門の13時半前には長蛇の列。これだけ見ても神奈川県の野球熱の高さを感じる。
第一試合は相模原vs横浜隼人。両校、よく鍛えられているチームである。横浜隼人は、相模原・佐相監督とは前任校である川崎北のときから、公式戦で対戦しているが苦しめられている。

 試合は序盤から目まぐるしく動く。
1回裏、後攻の相模原は二死から3番・本郷、4番・森山が四死球で連続出塁。横浜隼人の先発・山口投手を初回から攻めたてる。二死一、二塁のチャンスで5番・市川が当たり損ねだったが、しぶとくレフトに運び1点を先制。佐相監督は打撃のチームを作ることに定評があるが、なるほど選手達は凡退してしまうことを怖がらず、初回から良く振れている。

 相模原の先発投手は右腕・宮崎。昨年から好投手と称されているが、この冬を超えて下半身はさらにたくましくなっており、球速も上がっている。その好投手・宮崎に2回表、横浜隼人が襲い掛かる。
この回先頭の4番・大堀が二塁打で出塁。5番・金澤のところで相手バッテリーミスがあり三塁へ向かう。後続が繋ぎ、一死一、三塁から8番・吉川の適時打でまず同点に追いつく。なおも二死満塁のチャンスを作り、1番・浅見が走者一掃の三塁打を放ち、3点追加。4対1とする。横浜隼人が公立校に対して負けるわけにはいかないとばかりに序盤から意地を見せる。相模原・宮崎の制球が崩れた唯一の回であったが、そこを逃さない横浜隼人打線の試合巧者ぶりを感じる。

 2回裏、相模原がすぐ反撃開始。
7番・宮崎が二塁打で出塁。8番・金子が犠打で走者を三塁に進める。9番・井口の打順で相模原ベンチはスクイズを決行するがこれはフライになり失敗。なおもチャンスで1番・木村が二塁打、2番・佐藤がセンターオーバーの三塁打を放ち、相模原が2点追加。横浜隼人に詰め寄る。相模原は身体がそこまで大きい選手は大きくないが、打った打球は鋭く、外野にもよく伸びる。

 相模原の攻撃を迎える3回裏から、横浜隼人ベンチは先発の山口を中堅手に回し、背番号10を着けた左腕・早川を投入するが味方の失策が重なってしまい4対4。ここで同点に追いつかれた。

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4番打者としてチームを引っ張った森山(相模原)

 6回裏、徐々に追いついてきた相模原が今度は果敢に攻めたてる。
横浜隼人・早川より安打・四死球で無死満塁のチャンスから1番・木村が右前安打を放ち、ついに相模原が逆転。なおもチャンスで2番・佐藤の敵失、4番・森山の安打で2点追加。相模原に決定的な3点が入り、スタジアムの雰囲気は完全に相模原ペースに。

 3点差をつけられ、反撃したい横浜隼人だが、好投手・宮崎を3回から打ちあぐねたままだ。
宮崎は緩急の使い方が非常に優れている。カウントを作ったら勝負球に速球を使い、アウトの山を重ねていく。またコントロールミスがほぼなく、横浜隼人打線は完全に宮崎に対して翻弄されている。

 勢いに乗っている相模原は8回裏にも、二死三塁から本郷の安打で、勝負を決める1点追加。8対4と点差を広げた。
序盤こそペースを掴めなかった相模原・宮崎であったが、この得点差があれば十分だった。宮崎は2回以降、横浜隼人打線を完璧に抑え込み、最終回もしっかり締めて勝負を決めた。相模原横浜隼人を8対4で破った試合であった。

 投打がしっかり機能した結果、相模原横浜隼人に完勝した結果に。相模原ナインから私立はこうやって倒すんだと言わんばかりの試合運びを見せてもらった。
相模原の各打者は前述したが、身体はそこまで大きくない。だが各打者のスイングスピードは速く、ヘッドを利かせた打法から簡単に外野を超えていく打球や、鋭い打球が打てている。強豪揃いの神奈川を制するために打撃で驚かすことができれば、公立校の神奈川県制覇も夢ではない。相模原がその偉業を達成する一番手となれるのか。それを叶えるためには、今日の勝利で学校初のベスト4へ駒を進めた相模原にとって、ここからが正念場だ。

(文=高校野球ドットコム編集部)

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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