大阪産大附vs大教大池田
昨秋ベスト4vs昨秋ベスト16は延長戦に!
大教大池田の磯部幹高投手は、
サヨナラ負けに悔しそうな表情
昨秋ベスト4の大阪産大附とベスト16の大教大池田の対決は、期待に違わぬ好ゲームとなった。
2回に大阪産大附が挙げた先取点は、6番・前西拓斗(3年)の犠牲フライ。5回に大教大池田が同点に追いついた場面は、7番・岩﨑秀平(3年)のスクイズ(記録は内野安打)だった。
両チームともしっかり打ってのタイムリーが出ない試合を演出したのは、大阪産大附・當麻渾哉(3年)と、大教大池田・磯部幹高(2年)の両投手による投げ合い。さらに9回まで両チームとも無失策という守備が、白熱した展開を後押しした。延長10回が終わり、この試合二度目となるグラウンド整備で一端ゲームが止まる。ざわざわと、大阪で初めてのタイブレーク(13回から)突入の雰囲気が出来ていった。
しかしゲームは決着の時を迎える。11回表、二死から出した走者を盗塁失敗で仕留めた大阪産大附。その裏、先頭の5番・森村将哉(3年)がヒットを放った。続く6番前西が送り、7番・瀧尾龍功(3年)の進塁打で二死三塁となる。打席は8番・福井健太郎(3年)。1ボール2ストライクからマウンドの磯部が選んだのは、「(左打者の)外角へのスライダー」。これを捕えた福井の打球はレフトへのライナーとなったが、スライスしたため、捕球することができなかった。サヨナラの走者となる森村がホームを踏んだ瞬間、「上手いこと打たれた」と感じた磯部は頭を抱えた。
昨秋は部員12人で大阪ベスト16まで勝ち上がった大教大池田。今春は部員を16人に増やし、秋以上を目指したが、残念ながら初戦で姿を消した。
「良い試合やっても、負けたらアカンなと思います」と悔しそうな表情を見せた三谷一輝監督。ただこの日は投手3イニングずつを三人で継投することを考えていたものの、2年生右腕の磯部が「思いのほか投げれた」と指揮官が予想した以上の好投を見せ、11回を一人で投げ切った。
結果として勝負には敗れたが、秋ベスト16の力は十分に見せたと言えるだろう、夏へ向けて、「課題はバッティング」と三谷監督は話した。夏にどんなチームになっているか、非常に楽しみだ。
一方、1回戦で戦うにはもったいない好ゲームを制した大阪産大附の櫻井数美監督は、大阪経済大で2011年まで監督を務めていた。この春から大阪産大附の監督になり、高校野球の公式戦では初勝利。試合後にはホッとした表情を浮かべ、「リーグ戦の大学野球と、トーナメントの高校野球は違いますね」と戦い方の難しさを実感しているようだった。