試合レポート

今治西vs松山東

2015.04.12

今治西、「投手」藤原睦来お披露目で夏の第1シード奪取!

藤原 睦来(今治西)

 センバツ出場校が愛媛県内で複数の場合にのみ開催される「四国大会出場校決定戦」。
現:阪神タイガース・秋山 拓巳が投打の柱だった西条と、現在トヨタ自動車の主力・瀧野 光太朗が4番だった今治西とがあいまみえた2009年以来6年ぶりの開催。
1931年(昭和6年)第8回大会の松山商業・北予中(現:松山北高)以来、84年ぶり2度目となる「愛媛県勢出場2校初戦突破」を成し遂げた今治西松山東のカードとなった。

 ただ、この試合に臨む両校の位置づけは対照的であった。
「夏に向けてやりたいこともあるが、まずはセンバツの勢いを引き継ぎたい」(堀内 準一監督)甲子園2試合と全く同じ打順・スタメンで並べた松山東に対し、「夏に投手の数をそろえた上で、メンバーとポジションを固定したい」と試合前に語った今治西・大野康哉監督は背番号「1」、かつ先発マウンドにセンバツで4番中堅手だった藤原 睦来(184センチ86キロ・右投右打・3年・今治市立大三島中出身)を指名する。

 1年5月の練習試合以来、右ヒジ・肩の故障に悩まされた藤原の登板は約2年ぶり。
本人いわく「緊張した」のも無理はない。が、怪物はどこまでも怪物。マウンド上では球場スピードガン掲示「140キロ」を計測したストレートと100キロ前後のカーブ、たまに110キロ台のスライダーだけで4回3分の1を51球1失点のみで抑えてみせた。

 また、この試合では1番三塁手でスタメンに名を連ねた杉内 洸貴(175センチ64キロ・右投右打・今治市立立花中出身・BFA15Uアジア選手権日本代表)は指揮官曰く「本当はセンバツ前に変えたかった」サイドスローに腕を下げて2番手マウンドへ。
9回表二死一・三塁から、この試合では三塁手から二塁手に転じた8番・有田 虎之介(162センチ55キロ・右投右打・2年・松山リトルシニア出身)の「無心で来た球を打った」打球が中堅手横を破り2点を失ったが、スライダー・シンカー系の切れ味は今後に期待を抱かせるものであった。

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亀岡 優樹(松山東)

 今治西の新主将・中内 理貴(遊撃手・3年・168センチ61キロ・右投右打・宝塚ボーイズ<兵庫県>出身)は試合後「立ち上がり集中することをテーマにして(初回に)4点取れたことはよかったが、その後畳みかけることができなかった」と反省の弁を述べた。しかし、全体的には夏の愛媛大会第1シード確定を含め「収穫が大いにあった」大野監督の評価が適当だろう。

 ただ、松山東11年ぶり5度目の春季四国大会出場は夢に終わったとはいえ、収穫も多かった。
「初回は腕が振れているがリリースが違う感覚があった」亀岡 優樹(3年・右投右打・169センチ68キロ・東温市立重信中出身)は2回以降ノーヒットピッチング。最速140キロも[stadium]西条市ひうち球場[/stadium]のスコアボードに灯した。

 また、4回表は3番・酒井 悠祐(中堅手・3年・175センチ65キロ・右投右打・愛媛松山ボーイズ出身)がチーム初安打となる中越三塁打を放つと、続く主将・米田 圭佑(捕手・3年・182センチ83キロ・右投右打・松前町立岡田中出身)が適時二塁内野安打。甲子園を沸かせたゴールデンクリーンナップの力を見せつけた。

 これで夏の愛媛大会で第2ないし第3シードが確定した松山東
「他のチームは去年のウチ(3回戦ノーシードで第1シードの今治西を破る)ことを狙ってくる中でもガムシャラに戦いたい」

 指揮官の希望が選手たちに浸透できれば、65年ぶりの夏甲子園、83年ぶりとなる春夏連続甲子園は手の中にある。

(文=寺下友徳

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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