平塚学園vs小田原
将来性溢れる平塚学園の1年生右腕・高田孝一の快投！
2試合目は雨が降り続く中での試合となった。 その中で楽しみな右腕が出てきた。
その名は高田 孝一（1年）。
平塚学園の先発投手である。中学時代から評判だった好投手で、夏でいきなり背番号10を与えられているのだから、その期待の大きさがうかがえる。
まず目に付いたのは体格。1年生ながら、182センチ76キロと堂々たる体格。高校1年生のような華奢さはなく、がっしりしている。それでもまだ身体が大きくなりそうな可能性を秘めている。
その高田だが、常時130キロ台・最速135キロを計測。ランナーがいない時からセットポジションで始動し、真っ直ぐ左足を上げていきながら、真っ直ぐ足を踏み出し、左手のグラブを斜めに伸ばしながら、開きを抑えることを意識し、コンパクトなテークバックから投げ込む姿は昨年のエース・熊谷 拓也（現・法大）を彷彿とさせる。
1年生ながら130キロ中盤の速球を投げ込む能力の高さとそしてしっかりとストライクに収めることが出来る制球力の高さ。スライダー、カーブを投げ分け、まず初回を無失点に抑える。
1回裏、高田を援護したい平塚学園は一死満塁から連続押し出しで2点を先制し、さらに2回裏には二死から1番石井 晧大（3年）が三塁内野安打で出塁し、バッテリーミスが出て三塁まで進塁すると、またバッテリーミスが飛び出し、3対0。5回裏、無死満塁から5番神 哲也（3年）の犠飛で4対0。
平塚学園の先発・高田は5回まで無失点に抑えていたが、6回表に、小田原の一死から3番東山 宗央（3年）に中越え三塁打を打たれる。そして4番斉藤 成（3年）の犠飛で1点を返されるが、後続を抑えこの回を最小失点で切り抜ける。
平塚学園はその直後に、一死二塁から1番石井の適時打で5対1と点差を広げ、高田は7回を0に抑え、7回1失点の好投でマウンドを降りた。
この日は雨が降り、悪天候のなかでも投げ続けなければならない環境だったが、その環境のなかでも動じずにしっかりと粘り強さ。1年生離れしたポテンシャルだけではなく、精神的な面も強い投手であった。
8回表、平塚学園は背番号1の吉成 廉（3年）が登板。
175センチ65キロと高校生の投手としては平均的な体格をした右腕。彼もコンパクトな投球フォームから投げ込む本格派右腕。高田に負けじと、吉成は全力投球。常時135キロ前後・最速137キロの直球でとにかく押す。高田の好投が刺激になったのか、気持ちがこちらまで伝わってくるほどの力投だった。
吉成は2回無失点の好投で、小田原を退け、平塚学園が5対1で勝利。4回戦進出を決めた。
この日は高田の快投に尽きる。
次の試合ではさらなる活躍が期待されそうだが、まだ1年生ということもあり、今後の成長に期待してみたい投手。1年後、2年後を経て神奈川を代表する右腕へ成長しているか注目をしていきたい。
（文＝河嶋宗一）
