太成学院大高vs南
17安打26得点で太成学院大高が圧勝
20点目が入った時に、3226の捕手の小林拓生(2年)が内野陣に声を掛けた。
「声出していくぞ! 前向いて!」
その声はグラウンドだけでなく、スタンドにも聞こえるほどだった。
太成学院大高は、初回からマウンドの小林正に襲い掛かった。
アウト1つをとるのに、外野の奥まで打球は数回転がった。1回こそ、4点で攻撃が終わったが、2回は9点、そして3回は12点だ。
打者はほぼ4巡目となっていた。スコアブックは得点を示す赤いマークが続き、それが20個に達したとき、小林拓が声を選手たちに掛けたのだった。
なんとか3つ目のアウトを取って、ナインはベンチに戻った。
大量得点を許した3回裏、3226の攻撃は、一死から9番の池田昌平(1年)がショートへの内野安打で出た。続く、1番の小林拓と2番の中川拓斗(1年)は四球をもらって、一死満塁の場面。3番の小林正幸(3年)は三振となったが、4番の藤枝遼介(3年)が四球となり、押し出しで1点をもらった。さらに5番の山西治(3年)がピッチャーのグラブを弾く強い打撃で、さらに1点を追加した。
4回の3226の攻撃も、太成学院大高の2番手、西貝壮史(3年)は制球よく投げることができず、7番の松井渚、8番の趙誠泰(2年)を打ち取った後に、3人に続けて四死球、交代した背番号10の青山翼(3年)も四球を出して、またも押し出しで1点追加した。
太成学院大高は5番の橋爪翼(3年)が四球で出ると、盗塁を2つ重ねて、やすやす簡単と三塁まで進む。そして、6番の浜田のセンター前ヒットでさらに1点を追加した。5回表、大阪南の小林正は9番の綿谷雄生(3年)と1番の久世を内野ゴロに打ち取る。しかし、2番の竹内健悟(3年)、3番の須山優(3年)に連続して四球を与え、二死一、二塁。しかし、最後の力を振り絞って4番の松元優弥(3年)を三振に打ち取った。
この時、マウンドの小林正は、小さくガッツポーズを見せた。17安打を浴び、26点を失っても、最後まで3226のマウンドを最後のアウトまで守り通した小林正は、まさにエースだった。
太成学院大高は、5回裏を3人で締めくくり、5回コールドで長い試合に勝利した。