都立紅葉川vs順天
都立紅葉川、逆転で4年ぶりの5回戦進出
昨秋、今春ともにブロック予選で敗れた悔しさを胸に、この夏の大会に挑んだ都立紅葉川。
ここまでの3試合33得点と、打撃好調の都立紅葉川だったが、この日の順天戦では、前半は思い通りの展開にならず苦しんだ。
初回、順天が先制のチャンスを作る。2番中村紘文(3年)が内野安打、3番岡崎元哉(2年)が中前打で出塁し、一死一、二塁。
4番宮地貴士(3年)も続いて、右前打。この打球を相手野手が後逸する間に、走者2人が生還。2対0と、まず順天が試合をリードする。
都立紅葉川は、2回に、4番野崎翔大(3年)がライトフェンス直撃の二塁打、7番船波拳斗(3年)の左前打で一死一、三塁のチャンスを作るも、ここは得点ならず。さらに、3回、4回と、順天の先発・平林 央(3年)を打って、ランナーを出すもホームが遠い。
しかし、5回裏。都立紅葉川は、7番船波がライトオーバーの三塁打で、無死三塁とすると、続く8番菅野康平(3年)が、センターへの犠飛でついに1点を返す。
さらに、6回。先頭の2番河野拓斗(2年)の打球が相手野手のエラーを誘って、無死一塁。3番安部晃太(3年)の打席でのワイルドピッチなどから、無死三塁とすると、打席にはこの日2安打と当たっている4番野崎。
野崎の打球は、左中間を割る適時二塁打に。これで2対2の同点に追いついた都立紅葉川。
なおも、ランナー二塁と続くチャンスに、2回以降好投を続けてきた6番エースの藤井憲人(3年)。
藤井の一振りは、左中間への適時二塁打となり、二走の野崎が逆転のホームイン。
順天は、2回以降、再三得点圏にランナーを送るも、都立紅葉川のエース藤井の粘りのピッチングで、無失点に抑えられていた。逆転を許した直後の7回表。二死から、1番岡村和哉(2年)が内野安打で出塁。すかさず二盗を決めて、二死二塁とする。しかし、ここも、藤井に抑えられ無得点。
一方で、都立紅葉川はその裏、8番菅野が中前打でチャンスメイク。さらに、ここから、9番代打・高橋 優(3年)、1番本間拡海(2年)がそれぞれバントヒットで、無死満塁に。
2番河野は三振に倒れるも、3番安部の内野ゴロを野手からホームへの送球にエラーが絡んで、三走菅野が生還。
さらに、4番野崎が、この日3本目の二塁打を放って、2点を追加。6対2と、順天を大きく突き放す。
8回裏にも、代わったばかりの順天・鈴木 諒(2年)を攻めて、9番代打・石上巧馬(3年)の適時打などから2点を追加。
9回、リリーフでマウンドに上がった都立紅葉川の2番手・増子大海(2年)が、最後は打者3人でピシャリと抑え、8対2で勝利を決めた。都立紅葉川は、2010年夏以来の5回戦進出を果たした。
順天は、2008年以来6年ぶりの4回戦を戦ったが、都立紅葉川の前に力尽きた。
(文=安田未由)