済美vs三島
安樂 智大(3年)率いる済美、大苦戦も夏緒戦を突破!
安樂 智大(3年・投手・右投左打・188センチ87キロ・松山坊ちゃんボーイズ出身)擁する済美が緒戦で愛媛三島の試合巧者ぶりに苦しみながらも緒戦を突破した。
この日の済美打線はインステップから120キロ台後半のシュート回転ストレートと、110キロ台スライダー・チェンジアップを内外角へ効果的に配する髙橋 輝(3年・投手・右投左打・176センチ63キロ・四国中央市立土居中出身)、香西 善之(3年主将・捕手・右投右打・169センチ69キロ・四国中央市立三島西中出身)バッテリー、さらに打者ごとに的確なポジショニングを取る愛媛三島の守備陣形を破れず、8回までわずか2安打。エースへの援護は遠かった。
それでも安樂はスプリット・カーブをしっかり使いながら踏ん張る。7回裏二死二塁でのピンチでは外角低めの144キロストレートで見逃し三振。8回裏二死三塁の大ピンチでも高校通算30本塁打の4番・尾﨑 亨四郎(3年・三塁手・右投右打・182センチ70キロ・四国中央市立三島西中出身)を空振り三振で仕留めるなど、エースの矜持が彼の体を動かす。
そして両者無得点で迎えた最終回。100球を超えた愛媛三島・髙橋の疲れをようやく済美が突く。一死から四球後、4番・安樂が一・二塁間を破ってチャンスを拡大すると、一死満塁から2失策と8番・山口 和哉(3年・右翼手兼投手・右投右打・174センチ69キロ・南あわじ市立三原中出身)の三遊間適時打、2番・福島 弘樹(2年・右投左打・169センチ59キロ・愛媛松山ボーイズ出身)の満塁走者一掃三塁打などで一挙8得点。打者13人の猛攻で試合を一気に決めた。
結局、安樂は最速146キロと本来の調子と程遠いながら9回115球5安打2四死球7奪三振で完封。修羅場での経験値が愛媛三島の大健闘を上回る形となった。
(文=寺下友徳)