試合レポート

都立小岩vs淑徳巣鴨

2014.03.16

都立小岩のエース高橋航が投打に活躍!淑徳巣鴨に6回コールド勝ち

都立小岩vs淑徳巣鴨 | 高校野球ドットコム 

6回をノーヒットに抑えたエース高橋航(小岩)

 淑徳巣鴨都立小岩の1回戦は、都立小岩のエース高橋 航が投打に活躍。都立小岩が、部員9人で春の大会に挑んだ淑徳巣鴨に対し、6回コールド勝ちを収めた。

 先攻の淑徳巣鴨は1回、2回と相手の守備の乱れを突き、ランナーを出したが、チャンスを生かし切れず無得点に終わった。
対する後攻の都立小岩は1回、1番高橋 航がレフト前ヒットで出塁。2番鶴野 凌のバントで二塁まで進んだ高橋だが、その後、三塁を狙ってタッチアウト。3番遠藤 陸もセンター前ヒットを放ったが、後が続かず、得点には至らなかった。2回も6番澁谷 恭平がセンター前ヒットで出塁するも、二死から盗塁に失敗し、スリーアウト。

 試合が動いたのは、3回裏だった。
都立小岩は、先頭バッターの8番山田 和輝、9番白崎 幹大の連続ヒット、盗塁などで無死二、三塁のチャンスを作ると、ここで、初回ヒットの1番高橋 航がセンター前へタイムリーヒットを放ち、2人が生還。さらに、3番遠藤 陸のライト前ヒットで高橋 航もホームへ。この回、一気に3点を奪った。

 6回裏には、先頭の6番澁谷 恭平がセンター前ヒットで出塁すると、続く7番渡邊 大誠の犠打、8番山田 和輝のレフト前ヒットなどで、二死二、三塁の好機。この場面で再び打順が回ってきた1番高橋 航のセンター方向への当たりが相手のミスを誘って、2点。さらに2番鶴野 凌の左中間への三塁打、5番三輪 修也のセンター前安打などで、さらに3点を追加した。結局、この回打者一巡、合わせて5点を奪い、10対0で試合が終了した。

 一方の淑徳巣鴨は「ミスが連なって、委縮してしまう部分があったように思う」
と、大泉智弘監督。直球、スライダー、カーブで、丁寧にコーナーを突いた都立小岩のエース高橋航を前に、3回以降も無安打が続いた。4回には4番河村の当たりが相手の失策を誘い、出塁したものの、得点につなげることができなかった。


都立小岩vs淑徳巣鴨 | 高校野球ドットコム 

試合開始でグラウンドに飛び出す淑徳巣鴨ナイン

 終わってみれば、都立小岩高橋 航が、投げては6回を無安打、打っては4打数3安打2打点の活躍。
高橋は、「コースに投げ分けられるコントロールが自分の持ち味。今日はしっかりと投げられたと思う。バッティングも余計なことを考えず、しっかりと振りぬくことを意識しました。最初は緊張もあったけど、バッティングがよかったので、ピッチングでも気持ちに余裕ができた」と振り返った。

 さらに、「前はピンチになると弱気になることも多かったけど、冬のトレーニングを通し、気持ちが少し強くなった。次の試合、さらに次の試合と、どんどんよくなっていくピッチングができたら」と語った。

 主将の鶴野 凌は、「先週の練習試合が全然ダメで、思ったようなプレーができなかった。そこから1週間で、チームをどう変えるかが課題だったけど、練習中も合間に素早く行動するなど、試合に向けて気持ちを高めることができた。初回から、常に全力で、バッターボックスでも気迫を見せる、というのが自分たちのプレーなので、次の試合もそれができるよう頑張りたい。あと、内野の守備を安定させることが課題だと思う」と意気込んだ。

 一方、敗れた淑徳巣鴨は部員が全部で9人。
1人でもけがをすると、大会そのものに出られない状況の中での出場だった。
大泉智弘監督は、「バッティングは、いい当たりは出ていたけど、流れをつかみきれなかった。守備面でのミスも多かったので、夏の大会までのあと3か月ちょっと、短い時間の練習でも集中して取り組んで、守りを強化できるような練習を積んでいきたい。まずは、1年生が入学するので、部員獲得からです」と話す。

 主将の岩崎 誠弥は、「冬にやってきた成果を出せば勝てる、と思って試合に臨んだけど、試合前のアップの時から気持ちで負けていた。9人しかいないので、一人一人の意識を高めていかないといけないのに、冬の練習でも甘いところがあったと思う」と悔しい表情を見せた。

 一方で「一人一人が気を抜かず練習しないとこういう結果になる、というのが今日の収穫。個人での振り込みや走り込みもやっていかないと、勝てるチームにはなれないと思う。夏に向けて、一からチームを作り直さないといけない。自分もキャプテンとして、信頼されるよう全力で頑張りたい」と新たな決意も。

 部員数のハンデはあるが、岩崎は、「人数が少ない分、一人一人の練習時間が多くなる。強豪校にはできない練習をやって、甲子園を目指したい」と、しっかりとした口調で語った。

(文=木村明日香)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.26

【春季四国大会逸材紹介・高知編】2人の高校日本代表候補に注目!明徳義塾の山畑は名将・馬淵監督が認めたパンチ力が魅力!高知のエース右腕・平は地元愛媛で プロ入りへアピールなるか!

2024.04.26

今週末に慶應vs.横浜など好カード目白押し!春季神奈川大会準々決勝 「絶対見逃せない注目選手たち」!

2024.04.26

古豪・仙台商が41年ぶりの聖地目指す! 「仙台育英撃破」を見て入部した”黄金世代”が最上級生に【野球部訪問】

2024.04.26

【奈良】智辯学園が13点コールド!奈良北は接戦制して3回戦進出!<春季大会>

2024.04.26

【春季奈良県大会】期待の1年生も登板!智辯学園が5回コールド勝ち!

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.24

春の埼玉大会は「逸材のショーケース」!ドラフト上位候補に挙がる大型遊撃手を擁する花咲徳栄、タレント揃いの浦和学院など県大会に出場する逸材たち!【春季埼玉大会注目選手リスト】

2024.04.22

【和歌山】智辯和歌山、田辺、和歌山東がベスト8入り<春季大会>

2024.04.22

【九州】神村学園、明豊のセンバツ組が勝利、佐賀北は春日に競り勝つ<春季地区大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.04.23

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.05

早稲田大にU-18日本代表3名が加入! 仙台育英、日大三、山梨学院、早大学院の主力や元プロの子息も!

2024.04.02

【東京】日大三、堀越がコールド発進、駒大高はサヨナラ勝ち<春季都大会>

2024.04.12

東大野球部の新入生に甲子園ベスト4左腕! 早実出身内野手は司法試験予備試験合格の秀才!