試合レポート

常葉菊川vs富山第一

2013.10.01

常葉菊川vs富山第一 | 高校野球ドットコム

【富山第一の先発・宮本】

常葉菊川が好投手を攻略し、2回戦進出!

 選手権ベスト8の富山第一とベスト16の常葉菊川の対決。

最初、富山第一の先発・宮本 幸治(3年)の立ち上がりを見て、常葉菊川はなかなか打てないと思った。3番遠藤 康平(3年)を144キロのストレートで三振に打ち取る。速球の勢い、変化球のキレ、現役から少し離れた投手としては申し分ない出来であった。

だが常葉菊川は2回表に一死一、三塁から一塁走者の金子 尚史(3年)が盗塁を敢行。二塁へ送球する隙を見つけて三塁走者の大西 優輝(3年)がスタートし、本盗に成功。1点を先制する。だがその裏、富山第一は無死一、三塁から7番宮本の併殺で同点に追いつく。

5回表、常葉菊川は無死満塁のチャンスを作る。3番遠藤が宮本の直球に振り負けず左犠牲フライ。さらに4番大西の遊撃強襲安打で3対1と勝ち越しに成功する。

初回、快調な投球を見せた宮本だが、5回まで投げて被安打5、四死球5と甲子園に比べると精度の甘さが気になった。

「甲子園から帰ってきて、練習はしていましたが、やはり実戦で戦う経験から遠ざかっていたので、感覚的にズレていたものがあったのでしょう」
富山第一の黒田監督は宮本の投球を実戦から離れた影響が出たと説明。投手は初登板よりも、間隔が短い次の登板の方がよく見えることがあるのだが、打者との対戦する感覚をつかみ、どう打ち取れるかというのを本能的に分かるのもかもしれない。休養十分だからといって、さて自分の投球ができるかといったらそうではないという話である。

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【常葉菊川の先発・堀田】

 追う富山第一は7回裏、5番中村 順風(3年)が高めに入る直球をフルスイング。打球はレフトスタンドへ消える大会4号ホームランで、3対2。その後、二死一、三塁とチャンスを広げたが、無得点に終わる。

8回表、常葉菊川は一死から6番金子の四球。ここで投手交代。投手の宮本がレフト。レフトの幸山 一大(2年)はライト。ライトの西田 悠貴(3年)がセンター。投手には石川 達弥(2年)。一死一塁から再開。
金子は盗塁を仕掛けたが、盗塁失敗。二死となって、7番花堂 力斗(3年)は中前安打となって二死一、二塁。8番村松 直樹(3年)が右中間を破る長打。これを見て花堂は本塁を狙う。本塁を刺そうとライトの幸山は慌ててしまい、握り損ない、必死に中継の一塁へ投げるが、間に合わず、セーフ。そして一塁手は三塁へ走る村松を見て、三塁へ投げるが、暴投。この時、カバーが入っておらず、その間に花堂が生還。大きな2点を入れる。

援護をもらった常葉菊川の先発・堀田 竜也(3年)。やはり立ち上がりは宮本同様。ややバタついたところはあったが、後半以降は135キロ前後の直球、スライダー、カーブ、甲子園が終わってから習得したツーシームを武器に富山第一の打者を淡々と打たせて取っていき、完投勝利。2回戦進出を決めた。

勝利を決めた常葉菊川。次は大阪桐蔭と対戦。森下監督は
「これ以上ない相手ですし、堀田も次も投げさせます。打たれることは仕方ありませんが、とにかく腕を振って自分の投球にしてもらいたい」
とコメント。堀田も大阪桐蔭の対戦を楽しみにしている様子だった。
「高校生トップクラスの打線と対戦できることが決まってとても楽しみにしています」

常葉菊川のスイング、迫力を見て、現役を終えたといっても、強力だった。今日以上の打線を大阪桐蔭戦で見られるか注目だ。

(文=河嶋宗一

(写真=中谷 明

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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