試合レポート

桜美林vs都立福生

2013.09.21

終盤の粘りと集中力!点取り合戦を制した桜美林

桜美林vs都立福生 | 高校野球ドットコム 

先発・有馬(桜美林)

 第1ブロックの代表決定戦が台風の影響で日程変更、21日に[stadium]桜美林高校グラウンド[/stadium]で行われた。第1試合は、ともにコールドで勝ち上がってきた桜美林都立福生の対戦。一進一退の点取り合戦となった。

 試合はまず初回から動く。
都立福生1番・出口が四球を選び出塁。犠打とエラーで三塁まで進んだ後、4番・根本のタイムリーで生還。1点を先制する。

その裏、桜美林も早速反撃を見せる。立ち上がり不安定でコントロールが定まらない都立福生先発・桐山から1番・田口、2番・細野が冷静に四球を選び、3番・宇都宮がきっちり犠打で送りチャンスメイク。こちらも4番・小林がセンターへ2点タイムリーを放ち、あっという間に逆転する。

さらに6番・前田のセンター前にぽとりと落とすヒットで二死一、三塁。7番・根岸が粘りに粘って四球で出塁し、満塁。続く8番・杉山がレフト線を破る2点を追加し、初回から4点を挙げる。

しかしその後、両校ともランナーは出すものの、得点に結び付けられない。
試合が再び動いたのは、5回裏。桜美林はこの回先頭の6番・前田がセーフティーバントで出塁。続く7番・根岸のバントはサードの野選を誘い、無死一、二塁のチャンスを得る。8番・杉山が犠打で送り、さらにチャンスを広げると、9番・有馬はセンターへ2点タイムリー二塁打を放ち、桜美林が遂に欲しかった追加点を手に入れる。

しかしその直後、6回表二死から、都立福生の反撃が始まる。
代打の西村が死球で出塁。続く1番・出口、2番・斉藤と、それぞれ四死球で出塁、満塁のチャンスをつかむ。突如コントロールを乱した桜美林先発・有馬。この機に乗じ、3番・菅野はレフトへ打球を運び、2点タイムリー。なおも二死一、二塁のこの場面で、打席には、先制のタイムリーを放った4番・根本。綺麗な放物線を描いた打球は、外野の頭を越え、更にはネットも越えて、スリーランホームラン。この回一気に5点を奪い、同点とした。

勢いに乗る都立福生は続く7回にも無死満塁のチャンスを作り、途中出場で9番に入った渡部がセンター頭上を越える2点タイムリーを放つなど3点をあげ、桜美林を突きはなしにかかる。


桜美林vs都立福生 | 高校野球ドットコム 

同点タイムリーの枝松(桜美林)

 しかし、ここで黙っていないのが桜美林打線。
四球とエラーでもらった二死二、三塁のチャンスから4番・小林が2点タイムリー二塁打を放ち、1点差に詰め寄る。

8回裏、なんとか7回の勢いを持ち越し得点を挙げたい桜美林は、一死から根岸が死球で出塁。8番・杉山が安打で続き一死一、二塁。ここで、二番手としてマウンドに上がっている9番・枝松のレフトへのタイムリーが飛び出し、遂に同点とする。3番・宇都宮のライトへの打球は大きく伸びる。都立福生のライトが捕球できずに逸らす間に、走者一掃。3点を挙げ、勝ち越しに成功。

続く9回の都立福生の攻撃を三者凡退に抑え、試合終了。12対9で桜美林が点の取り合いを制し、本大会出場を決めた。

意識的に声を掛け合っている桜美林内野陣の中にあって、ひときわ目立っていたのが、一塁の根岸だ。打席に入る時も大きな声で気合を入れ、自らとチームを奮い立たせている。

4回、都立福生の先頭バッターがレフト頭上を越す打球を放ち、二塁に到達。桜美林のピンチかという場面があった。しかし、一塁手の根岸は、打った都立福生の選手が一塁ベースを踏んでいないのを見逃さず、ボールを持ちアピール。アウトを成立させた。

初回、5回の追加点に絡み、そして8回には起死回生、同点のホームを踏んだ根岸。こういったシブいラッキーボーイが出てくるチームは、底力がある。劣勢だと少し勢いが弱まるが、良いプレーが出ると目に見えて声も動きも大きくなるので、桜美林のバロメーターとして、本大会でも注目してみていいかもしれない。

 一方、敗れた都立福生だが、打線の集中力と爆発力は目を見張るものがある。攻守ともやや粗さの目立つ現状から、確実性を上げ、丁寧さを身に付ければ、相手から怖い存在になることだろう。春までにどれだけ成長しているか、見ものだ。

(文=編集部)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.12

学法石川の好捕手・大栄利哉が交流戦で復帰! 実力は攻守ともに世代トップクラス!身長200センチ右腕を攻略し、完封勝利!

2024.05.12

【春季新潟県大会】プロ注目右腕・茨木佑太が完封!元プロの芝草監督は素材、メンタル面も絶賛!

2024.05.12

プロ注目の200cm右腕・菊地ハルン(千葉学芸)がセンバツ出場校との交流戦でまさかの7失点…夏までの課題は?

2024.05.12

【春季京都大会】センバツベンチ外の西村がサヨナラ打!新戦力の台頭目立つ京都外大西が4強進出

2024.05.12

【奈良】天理が決勝最多18得点で圧勝!13年ぶりに春の頂点に<春季大会>

2024.05.08

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.11

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在28地区が決定、長野では松商学園がノーシードに

2024.05.07

【鹿児島】神村学園は昨秋4強の鶴丸と初戦で対戦<NHK旗組み合わせ>

2024.05.07

【山陰】益田東と米子松蔭、鳥取城北が石見智翠館と対戦<春季大会組み合わせ>

2024.05.07

【北海道】函館大有斗、武修館などが初戦を突破<春季全道大会支部予選>

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?