試合レポート

常葉菊川vs有田工

2013.08.15

スラッガーの片鱗を見せた常葉菊川・桒原 樹

 ここまで東海地区はすべて敗れている。残りは常葉菊川(静岡)。選抜ベスト16、春季東海大会優勝。今年の東海地区を代表するチームとしてなんとしても初戦突破を果たしたい。相手は開幕戦に勝利し、最速148キロ右腕・古川 侑利(3年)を擁する有田工である。

 まず2回表、常葉菊川は一死から5番大西 優輝(3年)が投前安打、さらに6番桒原 樹(2年)も左前安打で続き、一死一、二塁。7番金子 尚史(3年)が右前適時打で1点を先制。さらに8番堀田 竜也(3年)の死球で一死満塁となって、9番前川 直哉(3年)が右中間を破る二塁打を放ち、2点を追加し、3対0とする。

 追う有田工は7番草野 善彦 (3年)が内野安打で出塁した後、犠打2つで二死三塁として、1番百武 将太朗 (3年)の中前安打で1点を還す。

 だが4回表、常葉菊川は無死一塁から6番桒原が真ん中低めの直球を振りぬき、ライトスタンドへ飛び込む2ラン。放物線を描き、なかなか球が落ちない長距離打者特有の本塁打であった。アッパースイングだが、荒削りさは感じない。なかなか対応力の高い打者である。常葉菊川は積極的に振れる選手が多いのだが、体格、スイングスピードの速さ、飛距離、将来性すべてにおいてNO.1と呼べる選手ではないだろうか。二塁にまわったが、守備の粗さはそれほど感じず、動きも良い。強打の二塁手として確立することが出来れば、かなり面白い選手になる予感を感じた。2014年度の左打者ではトップレベルに入る選手だろう。

 その裏、有田工は一死から3番仙波 康弥(3年)が三塁内野安打で出塁すると、4番古川がセンターの頭を超える三塁打で1点を返し、さらに5番川元 空(3年)のスクイズで古川が生還し、5対3と2点差に迫る。

 ここから投手戦に。有田工の古川も立ち上がりに比べて徐々に持ち直した常時140キロ前後の直球、スライダー、カーブ、チェンジアップのコンビネーション。常葉菊川打線を抑えるツボを理解出来たのか、5回以降は安定した投球。桒原には打たれたが、4番松木 大輔(3年)から3奪三振、3番遠藤 康平(3年)からも2奪三振を奪うなど、クリーンナップに対して素晴らしい投球を見せていた。序盤で制球の乱れがあるので、スタート時の制球力を改善出来れば、彼はもっと失点を少なくすることができるだろう。彼で気になったのは力を入れた時のストレートがシュート回転してしまうこと。これでは145キロのストレートが出ていても、球筋が安定しなければ球速を抑えないと勝負出来ない。145キロのストレートを両サイドに投げ分けられる形にするためにも体重移動、腕の振り、球の握り方など細部に拘る必要があるかもしれない。

 堀田も130キロ台のストレートを動かしながら、チェンジアップ、スライダー、カーブを丹念に投げ分けていく。試合は9回まで進み、9回二死で有田工は古川にまわったが、遊ゴロに倒れ、ゲームセット。常葉菊川が3回戦進出を果たした。常葉菊川は東海勢全敗阻止を決めた。

 得意のフルスイング打線の中で目だったのは6番の桒原。この世代を引張るスラッガーになれる長打力を持った選手なので、ぜひ甲子園でさらに大暴れことを期待している。

(文=河嶋宗一)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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