済美vs今治工
済美・安樂智大(2年)、ついに到達「154キロ」!
1人の選手にスポットを当てすぎるのは、高校野球の本道ではないことは重々理解している。ただ、やはり彼については毎回触れざるを得ない。済美の2年生豪腕・安樂智大のことだ。
昨秋県大会決勝戦で激闘を演じた今治工業相手にあっても、彼の豪腕は冴え渡った。セットポジションからにもかかわらず初回で早くも150キロを計測すると、2回裏には152キロ。「153キロ」の自己最速更新への期待はいやが応にも高まる。
そして「その時」はやってきた。3回二死、9番・田村瑠久遊撃手(3年)を迎えた安樂はセットポジションのまま3球目に「153キロ」。続く4球目、アウトコース高めのファウルで[stadium]坊ちゃんスタジアム[/stadium]のスコアボードに灯った数字は「154km」。次の瞬間、場内にはざわめきが広がった。
結局、この日の93球中150キロ以上は11球。130キロまで上がった高速スライダーや、これも自己最遅「95キロ」をマークしたスローカーブもしっかりと決まり2安打完封でチームを2年連続8度目のベスト4へ導く大車輪の働きを見せた。
3打数3安打4打点で4番の仕事を果たしたバッティング含め、愛媛大会を席巻する「安樂劇場」。準決勝以降もまだまだヒートアップの予感が漂っている。
(文=寺下友徳)