高知農vs高知商
高知農業、史上初のベスト8で師匠へ恩返し!
8回裏二死満塁。
ここまで2回表に9番・森本知志左翼手(3年)に先制打を浴びて以降は高知商業の攻撃を必死にマウンドで防いでいた3番・濱口雄大投手(3年)が左打席から鋭いライナーを右翼線に突き刺した瞬間、[stadium]高知県立春野運動公園野球場[/stadium]は興奮の坩堝と化した。走者一掃の三塁打。
そして9回表・1点を失いなおも一死二・三塁の大ピンチを濱口が切り抜けた瞬間、三塁側ベンチからは雄叫びが響き緑のユニフォームたちがマウンドへと飛び出した。そんな選手たちを感無量の表情で見つめる梶原大輔監督。その視線の先には2011年3月まで高知商業高校野球部コーチとして師弟関係にあった高知商業・正木陽監督の姿があった・・・。
かくして第3シード・高知商業を撃破し、野球部史上初のベスト8進出を果たした高知農。ただ、ここまでの道のりはとても短い文章で書ききれるものではない。その経緯については梶原監督が自ら綴っているブログがあるので、ぜひご一読されることをお勧めする。
「高知農業高校野球部ブログ」
エキサイティングプレイヤー 濱口雄大(高知農業3年・投手)
左投左打の二塁手・中屋博貴(2年)をはじめ、個性的な選手がそろう高知農業にあって絶対的な信頼を得ているエースである。
文章中に触れた腰の回転でジャストミートした決勝打も見事だったが、本職のピッチングにおいてもマウンドさばきやストレート、変化球の威力・切れ味も5月の県総合体育大会と比べ、格段の進歩を遂げている。
中2日で迎える23日開催予定の準々決勝・中村戦における奪三振マシン・山田一惟(3年)との対決が今から楽しみだ。
(文=寺下友徳)