聖心ウルスラvs宮崎商
聖心ウルスラ浜渦が宮商打線を沈める
聖心ウルスラは背番号10でサイドスローの右腕長友、宮崎商業は背番号1の左腕エース松田が先発した準決勝。
打線好調の宮崎商業が、今日も初回から得点した。1回二死二塁から4番國部が中前適時打を放ち先制。
4回には、先頭の5番中村が四球で出塁すると、盗塁で二塁へ。続く6番岩切の打席時に相手投手のワイルドピッチの間に二走中村が一気に生還し2点目をあげた。その後、二死二、三塁となったところで1番主将の蛯原が三遊間を抜ける適時打で3対0とリードした。
宮崎商業は、投げてはエース松田が4回まで被安打1で、聖心ウルスラ打線に二塁を踏ませない好投。試合を優位に進めて、全校応援のスタンドが大歓声で盛りあがった。
しかし、この宮崎商業の勢いをピタリと止めた男がいた。
初戦の第4シード宮崎日大戦で完投勝利、一昨日の準々決勝では延長13回を一人で177球投げ抜いて勝利に貢献した男。線の細い体ながらマウンド度胸抜群で、気迫で相手打線をねじ伏せる聖心ウルスラの頼れる左腕エース浜渦だ。
浜渦が、2番から始まった宮崎商業打線の5回・6回をパーフェクトに抑えた。
すると、7回表。聖心ウルスラは一気に宮崎商業のエース松田を攻めた。
9番児玉が一死二、三塁から中前適時打で1点を返し、さらに二死満塁となったところで3番高橋が中前適時打で2点をあげ同点に追いつく。この回で宮崎商業エース松田をマウンドから降ろした。そして、3対3の同点のまま迎えた9回表。
聖心ウルスラの3番高橋が二死満塁から右前適時打で4対3と勝ち越し、試合を決めた。
結局、聖心ウルスラ浜渦は9回まで16人に対して被安打0、奪三振4のベストピッチングをみせた。頼れるエース浜渦が試合の流れを一変する好投をし、主将で3番キャッチャー高橋が3打点の大活躍をした聖心ウルスラが勝負強さをみせて決勝へ進出した。
聖心ウルスラは、昨年決勝に進出したチームにも、肝がすわった頼れる左腕エース山口大輝、チームを巧みに引っ張る主将の上元翼がいたが、惜しくも宮崎工業に5対4で敗れて涙をのんだ。
「同じ思いはしたくない」
「偉大な先輩達を越えたい」
「欲しいのは優勝の二文字と甲子園の切符」
そんな想いで1年やってきた聖心ウルスラ学園ナイン。去年の先輩たちの想いも背負って、明日の決戦に挑む。
爆発力のある強打延岡学園に火をつけないように、可能な限り最少失点で接戦勝負に持ち込みたいところだ。
2年連続で決勝に進出する強いチームを作りあげた聖心ウルスラ・小田原 斉監督を、サンマリンスタジアム宮崎で胴上げすることができるのか。
(文=三角 竜之)