新居浜東vs三島
東予地区同士の激戦を制したのは新居浜東!
2011年春の県大会準優勝。四国大会初戦でも高知(高知)を破ってベスト4に入った躍進を知る選手たちが最後の夏を迎えた三島。対して、昨年ОBたちが一足先に「マスターズ甲子園」に初出場した勢いを現役生へとつなげたい新居浜東。同じ東予地区同士の一戦で主導権を握ったのは新居浜東であった。
初回、相手守備の乱れと5番・鴻上尚豊投手(3年)の中前適時打、8番・篠原達郎一塁手(3年)の押し出し死球で3点を先制すると、4回表には二死三塁から2番・伊藤綾麻遊撃手(3年)が絶妙の三塁前バント安打で、6回表にも二死二塁から再び伊藤が適時打を放ち、三島の絶対的エース・長野一輝(3年)から5点を奪取。1回戦ではリリーフでTV中継でのスピードガン表示136キロを出した先発・鴻上も重いストレートとスライダーのコンビネーションで相手打線を3安打に封じる。
しかしこの春、2004(平成16)年の第76回センバツでは21世紀枠出場・八幡浜を率いた宮崎修一部長が4月から監督に転じた三島もさるもの。その裏、ややスタミナが切れた鴻上から一死満塁とし、7番代打・曽我部大雅(3年)の押し出し四球と8番・香西善之捕手(2年)の内野ゴロで2点を返すと、8回には7回から2番手マウンドに立った加納拓也(3年)から6番・森巧太郎左翼手(3年)の適時打で2点目。
さらに最終回は二死一塁から8回に口火を切る二塁打を放ち、9回には昨秋以来の公式戦マウンドで流れも作った4番・大久保海斗一塁手(3年)が左中間を深々と破る二塁打を放って1点を返し、土壇場でついに1点差まで迫った。
ここで再び一塁手からマウンドに上がったのは鴻上である。5番・藤原翔希遊撃手(2年)に安打を許し二死一・三塁とされたが、最後は三振締め。新居浜東は紙一重の激戦を制し、5年ぶり3回戦へ進出。11年ぶりのベスト8入りへの挑戦権を得た。
(文=寺下友徳)