済美vs帝京第五
圧巻の「153キロ」、済美・安樂智大、春夏連続出場へ全開モード!
序盤は帝京第五の2年生左腕・西浦大生の丁寧なピッチングに苦しんだ第1シードの済美。
だが、3回表に一死一・三塁から7番・光同寺慎中堅手(3年)の中前打で先制すると、5回には3番主将・宇佐川陸二塁手(3年)の中犠飛と5番・太田裕也(3年)の大会号で4点を追加し試合を決めた。
なお、済美先発の安樂智大(2年)は、序盤と終盤共に投球バランスに苦しみ連打を浴びたものの、中盤は安定感抜群のピッチングを披露。5回を除く毎回の14奪三振で夏の初戦を飾った。
エキサイティングプレイヤー 安樂智大(済美2年)
愛媛県高校野球、四国高校野球のみならず、西日本高校野球の主役・安樂智大(済美2年)が愛媛大会初登場。
期待に違わぬ投球内容で、坊ちゃんスタジアムの観衆を大いに沸かせた。
ランナーなしでもセットポジションで通した初回から3回までは腕と体が離れる悪癖が見え隠れし、制球力に苦しむ場面もあった安樂。が、ワインドアップに変えた4回以降は調子を取り戻し、終わってみれば3回表二死からの4連続、6回一死からの5連続含む計14奪三振。正に圧巻であった。
そして4回表二死から6番・横幕裕樹二塁手を見逃し三振に切った外角高めのストレートは、自己最速となる「153キロ」。センバツ以来抱えていた体と心の疲労をすっかり取り去った怪物は、貫禄の初戦突破でチームの春夏連続出場へ向けいよいよ全開モードに入っている。
(文=寺下友徳)