宮崎大宮vs宮崎工
昨夏王者・宮崎工、宮崎大宮の勢いとめられず
ノーシードから1回戦は10対0の6回コールド、2回戦は7対0の7回コールドで勝ち上がってきた宮崎大宮が、3回戦でも強さをみせつけ第8シードで昨年夏優勝校の宮崎工を相手に13対2の7回コールドで圧勝した。
宮崎大宮対宮崎工。ここまでの大差になるとは全く想像ができなかった。
宮崎工は失策から傷口を広げた場面もあったが、それよりも宮崎大宮打線の個々のミート力と集中力、コースに逆らわずに右へ左へ打ち返す能力の高さに光るものがあった。
なかでも圧巻だったのは宮崎大宮・3番中野(2年)の活躍。第3打席の4回一死二、三塁でレフトスタンドへスリーランホームラン、第4打席の6回一死三塁でセンター前へタイムリーヒット、第5打席の7回一死二塁でライト前へタイムリーヒット。一人で5打点を叩き出した。
そして、1・2回戦で失点0の宮崎大宮エース清水の頭脳派投球が今日も冴えわたった。
130キロ台のノビのある直球、110キロ前後の緩い直球とスライダー、85~95スローカーブ。緩急を巧みに操り、力を抜いてゆったりとした滑らかなフォームから投じられる多彩な白球が、宮崎工打線のバットの芯をことごとく外した。
2回に宮崎工、7番富永に2点タイムリーツーベースヒットを浴びたが、3回以降は2塁を踏ませないピッチングで好投し、7回にはアンダースローの稲田にマウンドを譲った。
3連休中日の日曜日ということもあって、宮崎大宮は大勢の生徒やブラスバンド、保護者、OBらが応援にかけつけた。大歓声に沸くサンマリンスタジアム宮崎で、宮崎大宮の選手たちが見事に応援に応えるかたちでベスト8進出を果たした。
1963年(昭和38)第45回・1964年(昭和39)第46回に宮崎商が夏の甲子園に出場したのを最後に、2年連続で甲子園出場を果たした学校がない宮崎代表。宮崎からは2年連続で甲子園に行けないというジンクス。
そんな歴史とジンクスを覆すべく、昨年夏の甲子園を経験した堂免、野村、山口らの主力選手を擁し、6月のNHK杯では準優勝するまで調子をあげていた宮崎工であったが、宮崎大宮の想像以上に大きな壁を越えることが出来なかった。
宮崎大宮は、大会11日目(7月16日)第1試合で、同じくシード校を破りノーシードから全てコールド勝ちでベスト8入りをした宮崎商とベスト4をかけて激突する。
投打がかみあい、凄まじい勢いで勝ち上がってきた両校同士の戦い。
勝利の女神がどちらに微笑むのか、大注目の準々決勝となる。
(文=三角 竜之)