試合レポート

名護商工vs名護

2013.07.07

公式戦初完投の2年生と仕事を果たした4番の活躍で名護商工がベスト16へ進出!

 秋季県大会では八重山農林に快勝も続く二回戦でコザの前に0-4、春季県大会は7回表まで5-3とリードしながらも前原の前に逆転負けを喫していた名護商工。その悔しさを最後の夏で爆発させ、見事2004年(前名護商)以来9年振りとなる三回戦進出を果たした。

試合は初回から動いた。1回表、名護は二者連続のセーフティー内野安打と相手のミスも誘って二死一・三塁とすると、5番山城貞夢がライト前へタイムリー。足とバットを絡めた見事な先制点を演出した。

しかし名護商工はその裏、制球の定まらない名護の先発金城樹から二つの四球と内野安打でいきなり無死満塁。そして打席に入った岸本歩が3球目を思い切り振りきると打球はレフト線ギリギリに落ちた。走者一掃となる二塁打(中継の間に三塁へ)は、先制点を許した2年生外間康太に勇気を与える大きな4番の仕事だった。さらに巧打者の山城辰樹がセンターへきっちりと犠牲フライを上げ4点目が入った。

追いかける名護は5回、先頭打者が四球を選ぶと続く打者の犠打を外間康が二塁へ送球。しかしこれがフィルダースチョイスとなりオールセーフ。投手の動揺を利用しようと三塁前へ上手く転がすとこれをサードが一塁へ悪送球。二塁走者が生還し一塁走者は三塁へ、打者走者も二塁へ進んだ。大ピンチの場面だったがそれでもマウンドの外間康にはやはり初回の大量点が大きかった。1番からの後続を浅いライトフライに斬りタッチアップを許さないと、ショートフライ、センターフライとノビのあるストレートを主体に落ち着いたピッチングで打ち取り最小限で食い止めた。

1年生の練習試合以来となる公式戦初完投で16強へ

やや均衡した感のある展開となったが追いすがる名護の勢いを止めたのが仲地広貴だった。
四球と内野安打で一・三塁とすると2番仲地がレフトへ大きな当たりを放ち、二者が生還するダメ押し2点タイムリーとなった。それでも粘る名護は8回に1点を返すがここまで。公式戦では初となる最終回のマウンドへ向かった外間康は、二者を連続三振に斬るなど疲れを感じさせない投球で三者凡退に退け、改名後の名護商工としては初となる夏16強入りを初完投勝利で飾った。

破れた名護だったが、先発の金城は2回以降立ち直りを見せ6回まで二塁を踏ませたのが一度のみ。初回の荒れ方とこのうだるような暑さから、ともすれば壊れてしまっていたかもしれない試合展開になりそうなのを、そうはさせなかった彼の意地=最後の夏と、芯の強さを見ることが出来た試合だったのではないだろうか。

(文=當山雅通)

名護   TEAM   名護商工
守備位置 氏名 打順 守備位置 氏名
捕手 宮城太志 1番 中堅 島袋謙汰
右翼 西平将紀 2番 左翼 仲地広貴
左翼 玉城侑都 3番 遊撃 金城大貴
一塁 玉城光一朗 4番 三塁 岸本 歩
中堅 山城貞夢 5番 右翼 山城辰樹
遊撃 長山敬夏 6番 一塁 玉城優斗
三塁 安慶田正真 7番 二塁 外間一貴
投手 金城 樹 8番 捕手 志良堂大稀
二塁 奥濱大海 9番 投手 外間康太

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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