前橋東vs渋川
前橋東が接戦を制し、2回戦進出
全国各地で高校野球選手権大会が開幕。群馬県も7月6日に開幕し、開幕日から4試合が行われる。こちら[stadium]高崎城南球場[/stadium]の第1試合は今春4回戦進出の渋川と前橋東の対決。
渋川の先発は左腕の高井。球速はそれほどでもないが、スライダー、カーブ、スクリューをコーナーに散らせる技巧派左腕。前橋東の先発・綿貫 皓太(3年)は173センチと投手としては大きくないが、フォームのバランスがよく、指にかかった時のストレートが綺麗で、スライダー、フォーク、カーブのキレもよく、まとまった好投手だ。両投手の内容を見て投手戦になると思ったが、2回に思わぬ点が入ってしまう。
2回表、前橋東は4番の鈴木 翔也(3年)のフェンス直撃の二塁打で出塁。5番佐藤 克彦(3年)の犠打に投手・高井が無死一、三塁のチャンスを作ると、6番鈴木 滉平(2年)がスクイズ。投手の高井がグラブトスするが、高めに浮いてしまい、セーフとなり、前橋東が1点を先制する。
無死一、二塁となって、7番戸松 克仁(1年)がプッシュバント。一、二塁間へ転がり、投手、一塁のどちらが捕るか迷ってしまうような絶妙なコースにバント。投手・高井が捕りに行くが、カバーががら空きで、オールセーフで満塁。8番宮田は空振り三振に倒れ、9番中村が左前安打。三塁走者が生還し、まず1点を追加。レフトが三塁を狙った二塁走者をアウトにしようと三塁へ投げたが、送球が大きく逸れて、二塁走者も生還し、3点を先制する。
3失点したが、高井はしっかりと立ち直り、2回以降はキレの良い変化球が冴え渡り、無失点に抑える好投を見せると、綿貫もストレート、変化球のコンビネーションが冴え渡り、渋川打線を抑えこむ。
8回表、前橋東は1番山崎 貴之(2年)の中前安打で出塁。2番綿貫は右飛に倒れたが、3番鈴木 章弘(3年)の内野ゴロで二死二塁とそると、4番鈴木翔の一ゴロ。これでチェンジと思われたが、ファーストが弾く。打球は後ろへ転がり、二塁走者は三塁を蹴ってホームへ。ライトがバックホームをするが、間に合わずにホームへ。ミスで追加点を許してしまう。
さらに9回表にも6番鈴木滉が右前安打。ダイレクトで捕球しようとしたが、後ろへそらしてしまい、三塁へ。無死三塁から代打・柳 優樹(3年)のタイムリーが飛び出し、5対2。9回裏、綿貫が締めてゲームセット。前橋東が2回戦進出を果たした。
両チームの投手力の差はない。渋川の高井はテクニックが優れた好投手、二番手の萩原 拓光(3年)も左腕から角度ある速球は魅力的だった。大事なところで守備のミスが出てしまう野球の怖さを実感した試合だった。
(文=河嶋宗一)