八街vs成田北
大谷投手(八街)
八街が3投手のリレーで完勝!
近年、八街が力をつけている。秋は2010年秋から3年続けて県大会出場、夏は2011年夏に3回戦進出。昨年は千葉日大一に1対5で負けたが、初戦敗退とブロック予選敗退が多かった時代からすれば、だいぶ強くなっている。
昔の八街を知る高校野球ファンは「最近、八街強くなったよな!」という声が出てくる。代表決定戦の成田北は堂々とした勝ちあがりだった。個人的に八街を見るのは久しぶりだが、数年前の状況を考えるとここまでポテンシャルが高い選手が揃っているのかと思わせるゲームだった。
この試合は投手戦となった。八街の先発・大谷は左腕から真っ向から振り下ろす角度ある直球を武器に投球を組み立てていき、要所で緩いカーブをおりまぜながら打たせて取る投球。成田北の先発・鈴木健も両サイドに直球をテンポ良く投げ分けるスタイルで、八街打線に痛打を許さず無失点に抑えていた。
7回表、4番比嘉が四球で出塁。5番田中の犠打。投手・鈴木が二塁へ送球したが、野選となって無死一、二塁。6番渋沢が犠打で、1死二、三塁となって、7番武が前進守備の二遊間を抜く中前安打となり、二者生還し、2対0。
そして二死二塁から9番三枝が中前適時打を放ち、3対0とする。
8回表、八街は4番比嘉が甘く入った変化球を見逃さず振りぬいた打球はレフトスタンドへ。貴重な本塁打となった。
8回裏から先発の大谷に代えて右横手の濱田が登板。勢いのある直球とキレのあるスライダーを投げ分け、無失点。
追加点を入れたい八街は9回表にも林の適時打で1点を追加し、5対0とする。9回裏からはライトの大門が投手に入った。球速ならばチームNO.1と評される大門は135キロ前後のストレートと小さく曲がるスライダーのコンビネーションで成田北打線を無失点に抑え、県大会出場を決めたのだ。
ホームランを打った比嘉選手
今日の八街で驚かされたのは投手陣の層が厚いことだ。
角度ある直球で打たせて取る投球で試合を作れる大谷に、サイドから切れのある直球を投げる比嘉、そして9回に登板した速球派の大門。
本塁打を放った比嘉は180センチ85キロの大型捕手。
ポテンシャルの高さは第6ブロックでも上位に入るチームだろう。
3投手をリードする比嘉は、
「3人の投手のレベルが高くて、僕はついていくことが精一杯です。このままではいけないので、持ち味を発揮できるようにフォローしたいと思います」
女房役としてしっかりと頼れる存在になることを誓った。
個人的にここまで八街が楽しみなチームと思ったのは初めてなことだ。大谷と大門はまだ2年生。楽しみはこれからも続いていきそうだ。
(文=河嶋宗一)