都立東大和vs京華商
3安打2打点の活躍！4番・小山（都東大和）
冬の打撃練習は素振りだけ！都東大和の考える野球で初戦突破！
京華商の先発・岩崎、東大和の1年生右腕・高塚が序盤から好投。
4回裏、先制のチャンスを迎えたのは、東大和。2番吉田がセンター前ヒットで出塁すると、3番久保が送り、続く4番小山のライト前タイムリーで、まずは1点を挙げる。さらに、5番今村のライト前ヒットで一死一、三塁と再び好機を作る東大和。ここで、今村が二盗を仕掛け、捕手が二塁へボールを送球する間に、三走の小山がホームイン。相手野手の隙をついての攻撃をみせた。
一方の京華商も、6回表に反撃のチャンスを掴む。3番佐藤が初球、バントヒットを成功させると、続く4番松川の内野ゴロが相手の守りのミスを誘って、走者二人を置く。ここで、7番小島のライト前タイムリーで、京華商が2点を返し、同点に追いつく。
しかし、その裏。東大和は、先頭の小山がレフト前ヒットで出塁し、7番佐藤の二塁打で、再び1点をリード。これが決勝点となり、東大和が、3対2で京華商を下した。
この日、9回2失点と好投した182センチの1年生投手・高塚雄太は、
「まだ60点の出来。ミスもあって、しっかり抑えられない場面もあった。自分は、コントロールとキレが武器だと思っているので、これからさらに磨いていきたい」とコメント。球速以上のスピードを感じさせるほど、伸びのある直球で、京華商打線から8三振を奪った。腕のしなりを生かしたピッチングをみせる高塚は、今後、さらに筋力が増えてくれば、球速も上がるはず。今後が楽しみな投手のひとりだ。
また、4打数3安打2得点の活躍を残した4番の小山は、
「ここ最近の練習試合で、バッティングのポイントが前になりすぎていたので、待つことを意識して打席に立ちました。最後に顔を残すイメージでのスイングで、今日は、大事な場面で打つことができました」と自身のプレーを振り返った。
現在、東大和はグラウンドが改修工事のため、冬の間はバッティング練習が一切できなかった。その分、『素振り』だけに集中し、個々のスイングを固めていった。実際にボールを打たなくても、春先にここまで仕上げてこれたのは、なぜだろうか。今春で就任4年目となる福島監督がこう話す。
「東大和の生徒たちは、考えることが好きなんです。自分たちで考えて工夫していく。自分たちでやるんだという意識は、このチームの伝統かもしれません。だから、自分たちの野球に迷いがないんです」伝統といえど、もちろん、そのモチベーションを高めているのは、福島監督でもある。この日も、試合後に、監督からすぐに試合のフィードバックするのではなく、まずは選手たちで十分に話し合いをさせることを大切にしている。それは、ベンチ入りメンバーだけでなく、部員全員でやることに意義があると、福島監督は語る。
東大和のこの『考える野球』で、次の中大附との代表決定戦に挑みたいところだ。
(文＝編集部)
