東海大菅生vs都立国立
先発小林（東海大菅生）
1年生左腕・小林が6回無失点！強打の東海大菅生、7回コールド勝ち
東海大菅生は2回から、都立国立の先発・川村を捉えた。4番山口が死球で出塁すると、5番阿部、6番冨塚の連打で1点を先制。その後も、8番高原のセンター前タイムリーなど、着実にランナーを還して、4点を奪取。3回表には、四球と5番阿部のレフト前ヒットで再びチャンスを作ると、7番和田のセンターオーバーなどから、この回3点を追加する。
その後も4回に4番山口のタイムリー、5回にまたも和田の二塁打と9番小林のタイムリーで9対0と、都立国立を大きく突き放す。
都立国立は、3回に9番岩田のセンター前ヒットから、走者三塁のチャンスを広げるもあと一本が出ない。4回にも二死から7番川村が左中間を割る三塁打を放つが、後続が三振に切って取られ、東海大菅生の先発・1年生左腕の小林から流れを引き寄せることが出来ない。
夏の西東京大会でも登板経験のある小林は、130キロ前半の真っ直ぐと、キレのあるスライダーを武器に、都立国立打線を6回無失点に抑える好投。
7回から抑えでマウンドにあがった高橋優貴（1年生）もまた、この夏の都立四商との3回戦で好投をみせた投手で、東海大菅生はこの日、1年生投手の完封リレーと、打線も二桁安打を記録し、9対0の7回コールドで都立国立との代表決定戦に勝利した。
試合後、東海大菅生・若林監督は、
「新チームが始まった当時は、そこそこ打てたんですが、守備が良くなくて、それがこの夏の練習でだいぶ良くなりました。投手陣もまだ発展途上ですが、持っている能力はそれぞれおもしろいものがあるので、本大会でも一戦一戦しっかりと勝ち上がっていきたいですね」とコメント。
先発した小林は、
「今日はコントロールが悪かった中で、ストレート中心に抑えることが出来ました。スライダーも自信があるので、本戦では三振を狙っていきたいです」。
同じく1年生野手で、この日は2安打と守備でも魅せた7番和田は、
「この前の試合では自分だけヒットを打てなくて悔しかった。三打席目の右中間寄りの長打は、これまで後ろで打っていたので、前で打とうと意識した結果、ヒットになった一本でした。本戦では、チームの目標でもある日本一に向けて、一勝ずつ積み重ねていきたいです」と意気込みを語った。
また、1年生メンバーだけでなく、打線では2年生の5番阿部を軸に高い打撃力をみせる。「打たないと勝てない」と語る若林監督の言葉通り、本大会でも暴れたいところだ。
4番足立（都立国立）
一方で都立国立は、これまでの予選では、初戦で麻布に9対3。2回戦で、都立杉並工に12対2の6回コールドで勝ち上がってきた。
「レギュラーの9人のうち4人が1年生で、2年生の選手たちも試合経験が多くない中で、今日は挑戦者として臨みましたが、力負けでした。この冬にしっかりと練習を積んでいきたいですね」と、都立国立・池田監督は振り返る。それでも、この日の試合で、選手たちが得たものは大きかった。
完投したエースの川村は、
「相手が東海大菅生ということで、気負った部分もあったかもしれません。雨でこの代表決定戦が流れて、その間に色々と考え過ぎてしまった。今日の試合を通じて、バッターの目から相手投手をみても、例えばスライダーでも一筋縄で打てないスライダーを投げるんですよね。分かっていても打てない、そういったボールも自分もこれから磨いていきたいです」
また、川村をリードしてきた1年生捕手・佐々木は、9点取られはしたが、この試合での良かった点をこう振り返る。
「最近、川村さんが投げ始めたチェンジアップが今日は有効に使えて、リードの幅も広げられることが出来ました。これからオフの期間を使って、パスボールなどしっかり止められるようにキャッチャーとして鍛えていきたい」と話した。
東海大菅生に敗れはしたが、都立国立ナインの来春の成長もまた楽しみだ。
（文＝編集部）
