都立桜修館vs明法
石橋のランニングホームランで同点に追いつく
後半の強さを発揮！都立桜修館、本戦出場へ
今年の夏から高等学校野球連盟で採用された『救済措置』。これは野球部員が5名以上いるが9名に満たない場合に限り、連合もしくは合同チームとして、大会へ参加が出来るというものだ。都立桜修館の場合は、この秋、部員が9名に満たなかったため、都立小山台からの選手派遣を受け、秋季大会ブロック予選に臨んだ。
「チームの雰囲気の良さだけは、うちの強みです」（都立桜修館・加藤監督）と、9月から合流した都立小山台の選手たちと共にブロック予選3試合を見事に勝ち抜いた。
初戦の都立足立東戦では、先制点を奪われながらも、10対3の7回コールドで下すと、2回戦の淑徳戦でも4対3の逆転勝ちで勝利。この日の明法戦でも、2回裏に先制点を取られたが、
「これがうちの勝ちパターン。必ず後半で逆転できるという雰囲気で、部員たちは前向きにプレーしていましたね」という加藤監督の言葉通り、都立桜修館は着実に点を重ねていった。
都立桜修館は、先制点を取られた直後の3回表に、2番石橋のランニングホームランで同点に追いつくと、5回にも1点を追加。
6回裏には、今度は明法にチャンスが生まれる。
1番佐藤、3番川西が安打で出塁すると、続く4番平下の打席で、バッテリーエラーの間にランナーがそれぞれ進み、一死二、三塁。平下のフィルダースチョイスの間に、三塁走者が還って同点に追いつく。続く、5番中沢の打席でまたも、キャッチャーがボールを逸らした間に、三塁走者の川西が一気にホームを突くも、ここはタッチアウト。2対2のまま、7回表を迎える。
力投するエース・畔上（都立櫻修館）
ここから、都立桜修館打線が、明法のエース宮下を捉えはじめる。2番石橋が四球で出塁すると、3番乾のセンター前ヒットでチャンスを広げる。4番小林も、カーブを上手く捕えて、センターオーバーの2点タイムリー。続く、5番畔上もライト前ヒットを放って、5点目を追加。
8回表にも、都立桜修館は、2つの四死球で一死二、三塁の好機を作ると、5番畔上の犠牲フライ。6番佐藤の右中間を割る三塁打で、7対2と点差を広げる。9回表は3番乾の三塁打で、8得点目。明法は最後まで意地をみせ、9回裏に2点を追加するが、力及ばず。
試合後のミーティングで、加藤監督は
「おめでとうございます。少ない人数の中でみんなが力を結束したからこその結果でした。本戦でも驕る（おごる）ことなく戦ってください」と選手たちを称えた。
都立桜修館メンバーと、都立小山台からの派遣選手たちは、合流して僅か一か月未満とは思えないほどのチームワークで、この日も接戦をものにした。
先発完投したエースの畔上は、
「予選では自分が四球を出したりして、苦しい展開が続いたけど、みんながすぐに点を取ってくれて助けられました。本大会では、低めを突くピッチングで、序盤と終盤にも満足のいく投球ができるようにしたいです」と語った。
また、捕手の小林も、
「本大会でも、攻守ともに自分が引っ張っていけるようなプレーをみせたい」と笑顔でコメント。
都立小山台との連合・都立桜修館の秋は、まだまだ続く。
（文＝編集部）
